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朝起きたら俺の愛用抱き枕が銀河系レベルの超絶イケメンに変わってました
最終話(9)
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「いま『無理』って言おうとしたでしょ?」
「でも言ってない」
「弘……こっち向いて?」
「……出してないだろうな」
「ないよ」
「……うわぁっ!?」
振り返ると、雄心はいつもの雄心に戻っていた。
「……はぁ、よかった……」
「大人の方じゃなくてごめんね」
「……いや、安心した」
おかしな話だけど、慣れてしまったせいかこの18歳のヴィジュアルが一番しっくりくる。
「でもちんこは出すな」
「どうして?いつもの僕なら弘と何してもいいでしょ?」
「……何する気だ」
「これなんとかしてよ」
「……」
付喪神はどうか知らないが、人間には体力の限界というものがあるのだよ雄心君。でも『無理』と言ったらお仕置きされるらしいから言えない。
「エッチしよ?弘」
「うん。俺が元気になったらな」
「元気じゃん。どう見ても」
「いや……」
……あれ?そういえばさっきまで指一本すら動かせなかったのに、俺いま普通に立ってる……?
「お前……俺に何かした?」
「何かって?」
「……いや……」
まさか回復魔法とか使えるのか?こいつ。……だいたいどうしてこんな都合のいいタイミングでいつもの雄心に戻るんだ?『霊力が不安定』とか言ってたけど、昨日の大人バージョンといいさっきの小5バージョンといい、まさか全部わざと変化したんじゃないだろうな……。
「弘、こっち来て?」
「……やだって言ったら?」
「『やだ』も禁止って言ったでしょ?早く来ないとほんとにお仕置きしちゃうよ」
けっきょく服を着れないままそろそろとベッドに上がると、すかさず腕を引かれた。あっという間に組み敷かれ、いつにも増して眩しい顔面で見下ろされる。
「弘……触って?」
「……っ……」
……困った。どうやら俺は、もうこの付喪神に抗えないらしい……。
「……はぁ。幸せ……」
「……触らせといてしみじみ言うな」
「だって弘に触られてるときがいちばん幸せなんだもん」
「……どこまでも変態だな」
……まぁいいか。明日も明後日も、これから先もずっと、朝起きたらこいつがそばにいる。俺にはそれ以上の幸せなんて思いつかない……。
「愛してるよ、弘」
「……うん、俺も」
俺の愛用抱き枕は、実は銀河系レベルの超絶イケメン付喪神だった。……でもそれだけじゃない。いきなり東大医学部を目指したかと思えば見事に合格してしまう努力の天才で、中身も宇宙一カッコいい付喪神だ。ちなみに18年前までは俺の幼なじみで親友だった。
そんな竜美雄心は、今では俺の唯一無二の恋人。歳下の見た目を利用して甘えてくる雄心に絆されまくりの俺が、雄心がずっと憧れてきたという体位「駅弁」を許可してしまう日は、多分もうそう遠くはない。
END
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