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side 寿璃
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気がつけば、いつも殴られたり、蹴られたりしていた。
そして犯されていた。──実の父親に。
それが、おれの生活で、日常で。
別に恨んではいない。嫌いでもない。だって、悪いのはおれだから。そう、言われてきたから。これは躾なんだ、って。
愛してるから、殴るんだって。
きっと、そう。
だから、痛いけど、苦しいけど、平気。だっておれは、愛されているんだから。父さんはおれを殴るけど、捨てたりしない。
……母さんみたいに。
いい子にしてれば、殴られずにすむ。父さんは優しい。おれを気持ちよくしてくれる。あんまり、「それ」をするのは好きじゃないけれど、痛いよりは良い。それに、気持ちよければ、寂しくなかった。溺れていられた。
おれがされていることが、普通じゃないと、異常なことなんだと、分かってる。でも、別にもう気にしてない。これが、父さんの愛し方なんだから。唯一、暴力を振るうときと、セックスするとき、おれは必要とされる。不必要な俺が。唯一、存在していい時間。だから、別にいい。
何をされたって、捨てられるよりいいんだ。
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