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side寿璃
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「──っッ、あ゛っぃ、だ、いた、ぃい゛っ」
父さんは更にその傷にねじ込むようにぐりぐりと煙草の火種を擦り付けてくる。
「ぁ゛っ、め、なさ、ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!」
「うるさい喋るな」
「ア゛ぅッ」
別の場所にまた熱が押し付けられて、喉から獣じみた声が出た。
だめだ、こうなったらもう、黙って耐えるしかない。
おれはまたうるさいと叱られないように、両手で口をふさいだ。
「お前はできそこないだ」
うん
「こんな出来損ないを世話してやってるのに」
ごめんなさい
「お前は口答えばかりで」
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
「お前がそんなだから」
できそこないでごめんなさい
「だから母さんは」
あ、まって
「母さんは出て行ったんだぞ」
いたい
「お前のせいで」
いたい、いたい、
「お前が出来損ないだから捨てられたんだ」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
「なあ、寿璃」
「ぅ゛、う、ぅう……っ、……ッ」
ごめんなさい、
悪い子で、
できそこないでごめんなさい。
お願いだから、
捨てないで。
捨てないで。
なんでもするから。
「こんなお前でも、愛してやるんだから」
「ぁ……」
父さんは
「俺のためなら、なんでもできるよな?」
「は、い……っ」
こんなおれを、愛してくれるんだ。
「俺だけだ」
「うん」
父さんだけが。
「愛してる」
──愛してくれる。
「とう、さ……おれ、も、あいしてる……」
多分、おれはみっともない顔をしてたのに。それでもおれの顔を覗き込んで、父さんは笑ってくれた。
「いい子にできるな」
「うん」
「きもちいの好きだろ?」
「うん、うんっ」
じゃあ、今日ももっと気持ちよくしてやる。
そう言われて、父のズボンのポケットから取り出された袋は。
「ぁ……っ」
あたまが、もっと、ばかになるやつだ……
でも、あれ、すごく。
きもちいい。
「」
そのあと、なんと言って父さんにすがったっけ。
ただ、胸が痛くて、内臓が痛くて、気持ちよくて、わけが分からないから、ぐちゃぐちゃだから、もうかたちが分からないほど壊して欲しくて、おれの歪な内側と、外側までももうぐちゃぐちゃにしてほしくて、耐えられなくて、たまらなくて、
だからいつも。
こんな人にしがみつくことしか、できないんだよ。
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