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:小動物
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美しい顔をしているそいつはなにやら途中編入組らしかった。
ここの偏差値は高いので頭がいいのだろう。
(容姿端麗、頭脳明晰とはまさにそのものだな…)
ちらり、と横顔も美しいそいつを見る。
赤くなったり青くなったり1人で百面相していからつい笑ってしまった。
「何か心配事でもあるのか。」
そう聞くと、何故か大きい目をさらに大きくして俺を見た。
(……?目の色も綺麗だ。)
思わず見とれそうになる。
儚い雰囲気を漂うそいつは何か庇護欲を掻き立てられた
「あ、あのっ、助けてくれてありがとうございます…。」
頭を深くさげて可愛らしい声で感謝するそいつは顔を赤くして俺と目を合わせる
(なんだか小動物みたいだな……)
「構わない。ここは旧校舎だから迷ったんだろう」
「そうだったんですね、通りで……」
キョロキョロと周りを見て楽しそうな顔をしていると俺も嬉しくなり、ついこの学園のことを沢山話してしまった。飽きることなく俺の話を聞いてくれたそいつはあっ!と声を上げて足を止めた
「ここって…」
「そこは図書室で、新校舎が出来てからはみんなそっちに行ってしまったが俺は旧校舎の方が好きだ。」
俺は誰にも言っ事がない自分のお気に入りの場所まで話していた。
「図書室…!」
キラキラと顔を輝かせてさっきより楽しそうに声を上げる。
「図書室が好きなのか?」
「図書室というか、本が好きなんです。」
そう言って可憐な笑顔を向けてくる。
好き、という言葉で何故か心臓がドキドキした
無性に抱きしめたくなり、小柄なそいつを抱きしめようと手を伸ばした瞬間、
──────キーンコーン…
チャイムが鳴った。
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