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愛し、愛されて
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あの件から3日。
パソコンも携帯も電源をオフ。
もしかしたら連絡来るかもとオンにしてた携帯も、鳴る事はなくて耐えきれず1日で電源を落とした。
忘れようとして、でも忘れられなくて泣いてを3日間続けた。
それもそろそろ終わりにしないといけない。
動画撮らなくちゃいけないし。
ずっと泣いてるわけにはいけない。
始めから実らない事は解ってたんだから、仕方ない事。
大丈夫、俺は。
いつか想いは消える。
今だけだから。
辛いのは、だから大丈夫。
笑顔で話せる。
電源を立ち上げたパソコンと携帯。
連絡はーーーなかった。
安心とやっぱり悲しかった。
マイクラの動画進める為にも連絡しなくちゃ。
携帯を持つ手が震えた。
電話するのはちょっとまだ無理だったからメールしようと目軽さんのフォルダーを開く。
そしたら突然携帯が鳴り出した。
電話の着信。
相手は目軽さん。
「は、…い」
「もしもし、ラブさん」
「ち、丁度連絡しようと思ってたんですよ!」
そろそろマイクラやりましょう、と間髪入れず喋る。
「いえ、あの…」
「明日とかどうです?」
大丈夫そうなら…、と言いかけてたら目軽さんに遮られた。
「ラブさん、聞いてください。あの時のことなんですけど、すみません」
突然切り出されて言葉に詰まる。
その謝罪はあの告白の事についてなのだろうか?
「いえ、大丈夫です。気にしないで下さい。僕の方こそすみません」
そう返すしか出来なかった。
俺が好きにならなければ、こうはならなかった。
「なんでラブさんが謝るんですか?」
その言葉に胸が痛む。
目軽さんは優しい。
ごめんなさい、そんな優し人を困らせてしまって。
好きなんて言ってしまって。
「好きだなんて言ってしまってすみません。彼女いるなんて知らなくて…。そもそも男に言われて気持ち悪いですよね」
ははっと乾いた笑いをする。
3日間泣いた事は意味があったみたい。
泣きそうになる事はなかった。
「大丈夫です。もう会うつもりはないですし、好きなんてもう言いません。今撮ってる動画が完結したら、」
解散しましょう、と続けた。
もう二度と会えないけど、一緒
にゲームも出来なくなるけど。
これ以上困らせたくないから。
そんな事考えてたら、不意に鳴るインターホン。
「ラブさん」
「あ、すみません。インターホン鳴ったんで、ちょっと待ってください」
鳴ったインターホンと同時に名前を呼ばれた。
玄関に向かいながら待ってもらうように伝え、ドアを開けた。
「え、…」
ビックリして持ってた携帯を床に落とした。
会いたくて、でも会いたくない人が目の前に立ってた。
「会いにきちゃいました」
「なんで…」
優しく笑って言う目軽さん。
変わらず優しくて。
もうこの笑顔は見られないと思ってた。
「色々誤解してるみたいだったんで。ーーまず、自分に彼女はいません。元カノなんですが、まぁ良くあるストーカーです。それでここ最近ずっと揉めてました。ちなみに今度こそ解決しました」
間髪入れずに説明する目軽さん。
俺に喋る隙を入れないようにしてるのかな。
「あとラブさんの告白、自分は嬉しかったですよ。ラブさんの事好きでしたから」
さらりと言われた言葉に目の前がボヤけた。
「本当に…? 好きでいてもいいんですか?」
「勿論です。むしろ好きでいてくれないと困る」
みっともなく涙零しながら、目軽さんに問う。
ふわりと笑って答えてくれた目軽さんに抱きついた。
「ちょっ…ラブさん人に見られちゃいますよ」
「あ、そうですね。中に入ってください」
目軽さんから一旦離れ部屋へ案内する。
涙を服の袖で拭う。
「ラブさん、携帯拾うの忘れてますよ」
クスリと笑われて目軽さんから携帯を受け取った。
恥ずかしい、携帯忘れてた。
携帯を忘れてたのもそうだが嬉し泣きして恥ずかしすぎる。
「飲み物持ってくるんで適当に座っててくださいね」
恥ずかしさを誤魔化すようにキッチンへ行こうとした俺を目軽さんによって阻止された。
腕を掴まれて、引っ張られ抱き締められた。
「飲み物は後で大丈夫です。ラブさん、好きです。俺と付き合ってくれますか?」
「っ…あったり前じゃないですか」
目軽さんの言葉に泣き止んでた目からまた涙が溢れてきた。
優し声音。
落ち着く声。
ずっと
言われたかった言葉。
実らないと思ってた。
叶わないって諦めてた。
「目軽さん事大好きですから!」
涙は止まらないけど、そのまま笑顔で言ったら抱き締める力が強くなった。
好きでいて良かった。
変わらず実況出来るし、そばに居られる。
これからは恋人として。
幸せすぎて死んじゃうかも。
(いや、死んだら困ります)
(あ、れ、…声に出てました?)
バッチリ声に出てたって、恥ずかしい
fin.
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