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大学の校門を出てから、駅までの道のりを歩きながら
何度もあの日の事が頭に浮かんだ。
真木と決裂したあの日の、あいつの言動が頭の中に繰り返し浮かんだ。
〝何度も同じ事言わすなよ、なぁ〟
〝なぁ、お前、大好きだろ?ケツに突っ込まれんの〟
〝オナホのクセに何、今更真面目ぶってんだよ〟
〝何勘違いしてんだよ〟
〝謝れ〟
謝るのも、言うことを聞くのも冗談じゃなくて
それを拒否したら、ぶん殴られて、机に叩きつけられて
〝役にたたないんなら価値ねぇんだよ、ゴミクズ〟
そう言われた。
あぁ、そうだった
俺、ゴミクズだったわ
最近、浅科さんに甘やかされて、チヤホヤされて、浮かれすぎてすっかり忘れてた。
おもちゃ以下のゴミクズだったんだっけ。
頭の中でそれを反芻しながら、俯いて歩いた。
ふと足元から視線を上げると、そこにはいつもと変わらない
いつもの駅の光景が広がっていた。
今朝、浅科さんと一緒に電車を待った駅。
あんなに浮き足立っていたのに、
同じ場所のはずなのに、
そこは鈍色のコンクリートがただ重々しく見えた。
帰宅途中の会社員や、学生が忙しそうに行き交うその中を
ぶつからない様に、すり抜ける様にして歩いた。
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