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奪われた光
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病院に着くと、父さんも母さんももういて、俺を病室に案内してくれた。
まだ麻酔で眠っているとのことだ。
もし俺がいるときに目が覚めてしまったら、なんて顔をしよう。
なんて言えばいい?
怖かったけど、その心配はいらなかった。
だって、テツヤは目を覚ましても俺を見ることはないのだから。
テツヤの目は、両目とも、完全に消え去っていた。
病院の先生と、学校の先生の話を、俺と両親は聞いた。
まず、病院の先生の話。
目は抉られて、決して戻ることはないこと。
いまは痛み止めを飲ませているが、いづれ痛みが麻痺して、痛み止めを飲まなくてもよくなること。
体中にもいくつも怪我や傷が存在していること。
足は折れているが、リハビリなどで治ること。
その他に、家族で気をつけるべきことや、治療の手順などが話された。
次に、学校の先生の話。
まず、発見されたのは普段あまり使われない体育倉庫の中。
たまたま使う予定のボールを取りに行った先生が見つけた。
いじめがあったようには思えない。
誰がやったのかは責任をもって調査するとのこと。
他人事のように語るその先生を、俺は恨みの念で見つめる。
いじめがあったようには思えない?
ならなんで、テツヤの体はボロボロなんだ?
目を抉られているんだぞ?
どう考えたって、いじめだろうがっ!
学校も体裁を守りたいんだろうけどよ、そりゃあねぇだろ。
テツヤは一生のほどんどを奪われてんだぞ!
ふざけんな!
少しして、テツヤは目を覚ましたらしい。
俺は病室には入らず、廊下のベンチに座って、考えていた。
犯人を見つける。
必ずだ。
同じ思いを……いや、それ以上の痛みと恐怖を与えてやる。
絶対に、許さねぇ。
こうして、俺の復讐劇が始まった。
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