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犯人は誰
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俺はいま、テツヤの中学にいる。
と言っても、校門の前にいるだけだが。
中から出てきた、ひ弱そうな奴を捕まえ、引きずって人影のない路地に連れ込む。
「な、なんですか……!? ちょっ、助け…………」
うるさそうなので、口を片手で塞ぎ、顔を近づける。
「おまえは、テツヤの事件について、なにか知ってるか?」
「…………っ!?」
口を塞いでいた手を退かし、
「俺は黒子テツヤの兄貴だ。答えろ。おまえは、テツヤの事件について、なにか知ってるか?」
「く、黒子…………?」
「……くそっ、こういうとき、あいつの影の薄さがムカつくな。このまえ、学校内で事件があっただろ。その被害者だ」
「あ、あの子か…………」
「で、なんか知ってんだろ。答えろ」
「い、いや……。俺はなにも……」
「言え! 早く!」
「ひっ……!」
なんだこいつ。
おどおどしやがって。
心底イラつく。
「俺は、ホントに知らない! ……けど、いじめてたのはバスケ部の奴じゃないか? 俺の友達に、バスケ部の奴がいて、よく愚痴ってたし……」
「そいつは誰だ! 連れてこい!」
「ひうっ……! わ、わかりました!」
こいつが持っていたカバンに手をつっこみ、財布を取る。
「ちゃんと連れてこい。俺もついていってやるよ。それから、騒ぐとこの財布は返さねぇから」
「は、はい…………」
そして、俺たちは帝光中の体育館に向かった。
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