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黄瀬……くん
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スキップしながらルンルンで現れた監督は、満面の笑みを浮かべて、こう言いました。
「みんな! 練習試合が決まったわ!」
「ちなみに、どこ?」
「海常高校! キセキの世代、黄瀬涼太を獲得したことよ!」
「やっぱり。嫌な予感はしたんだ」
「あはっ!」
《監督怖い》
みんな一斉にそう思ったことでしょう。
「…………………黄瀬くんですか……」
少しだけ、嫌な記憶が蘇ります。
――近づくなよ。最低のクズ野郎が。
黄瀬くんに言われた言葉が、頭の中で反響します。
怖い。
会うのが、怖いです。
数日後、誠凛の体育館に人の群れができました。
キャーキャーと女性の黄色い声がするのです。
ここのバスケ部、イケメンでもいるんでしょうか?
なんて思ってると、先輩の声がします。
「な、なんだぁ? この人盛り」
すると、別の声がしました。
この部活の人間ではない声が。
けれど、よく知った声が。
「あー、すみません。少し、待っててもらってもいいっスか?」
イケメンらしい綺麗な声。
知っています。
この声は――――――、
「黄瀬……くん」
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