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結果はもちろん
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花宮vs紫原の対決が始まった。
結果はもちろん――――、
――――3対10で紫原の勝ち。
負けた花宮は呆然と立ち尽くしている。
自分が負けたことが理解できていないのだろう。
普段の花宮なら勝っていたかもしれないが、いまの花宮ではキセキの世代に勝てるわけがない。
花宮は頭に血が上っていた。
冷静な判断ができずにいた。
だから、あいつは勝てない。
紫原が狙ってやったのかは定かではないが、黒子くんの話をだしたのは効果的だったようだ。
冷静でない状態で紫原のガードをすり抜けてゴールするのはかなり難しい。
それでも3点入れたことはさすがとしか言いようがない。
「約束だよ。復讐はやめて、黒ちんに会いに行って」
そういう紫原。
花宮は無言でこちらに歩いてくると自分のカバンを持って歩き出す。
「ちょ、聞いてんの!」
紫原が大声で言う。
すると、花宮は振り向きざまに自嘲気味に笑う。
「俺は負けた。だから、復讐はやめるよ……」
あぁ、あの目は……。
花宮のチームメイトだからわかる。
あれは――――、
――――ひとを騙すときの目だと。
「……なんて言うかよ、バァカ」
ほらな。
「な!? 約束でしょ!?」
「約束? テツヤを裏切ったてめぇらの言うことなんて信じるわけねぇだろ、バァカ」
おかしなものを見る目をした陽泉の奴ら。
今回ばかりは同意だ。
こいつは本気でおかしくなり始めてる。
俺も、他の奴らも、こいつの足を止めることはできない。
花宮自身でさえも、止まれない。
それが破滅に向かうものだとしても。
止められるのは、進めさせてしまった者。
弟である黒子くんのみ。
早く止めないと、君のお兄さんは破滅の穴に落ちていってしまうよ。
「瀬戸、おまえらも行くぞ」
「あぁ」
「はーい」
「うん」
花宮に呼ばれて、俺と原と古橋はついていく。
「いいのか? 紫原は潰さなくて」
「また潰す機会があるさ。それより、白川の居場所は掴めたのか?」
「あぁ」
「なら、そいつを潰しに行くぞ」
「…………あぁ」
ほら、早く止めないと、本気で花宮は戻れなくなるぞ。
泣きそうに笑う花宮を見ながら、俺は無言でついていく。
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