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お付き合い
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〔 彼方 side 〕
目を覚ますと 、 宮原の匂いがするスウェットが一番に目に入った 。 グレーのそれに擦り寄ると 、 枕元に放置していたスマホが音を立てる 。
『 本日予定されていた午前の講義は 、 休講となります 』
という題名から始まる長々としたメールを読んでいく 。 よし 、 まだ寝れると瞼を閉じた 。
しかし 、 宮原がごそごそと動いた事でつられて俺も目を覚ます 。
綺麗な顔に眉が寄って 、 いつもより男前だ 。
「 宮原 、 起きた? 」
凛 : 「 …… うん 、 起きた 。 」
「 午前は休講らしいから 、 まだまだ寝てて大丈夫だぞ 。 」
寝ぼけているのかそうじゃないのか 。
分からないが 、 宮原は俺を抱き締めて離さない 。 それがくすぐったいような 、 恥ずかしいような 。
嫌な気は全くしなくて 、 寧ろ嬉しい 。
しばらく二人でぼ〜っとして 、 肌寒さに脚を擦り合わせたりした 。 その度に二人でクスクスと笑った 。
昨日見せた怖い笑顔とは違う 、 優しさのある笑顔は年相応の笑顔で 、 思わずときめいてしまう 。
俺は性的対象も恋愛対象も男だから 、 別に間違っていることはないけど 。 でも 、 なんだか宮原には惚れちゃいけない気がする 。
惚れた方が負けだとは思う 。
でも 、 惚れさせれば勝ちになるんだ 。
俺のこの健気で可愛い姿でまずは宮原を惚れさせてやる 。 宮原が惚れるまでは俺も惚れてやらないからな 。
なんて 、 心の中だけでやる気を出した 。
「 そうだ 、 さとちゃんと龍ちゃんにも紹介していいだろ? 」
ガバッと起き上がって 、 宮原の腹の上に跨った 。
大事な友だちに仲良くなったんだと伝えたいし 、 宮原にも仲良くしてもらいたい 。
窓際に座って一人で過ごすくらいなら 、 俺の相手をしてくれてもいいと思うんだ 。
凛 : 「 別にいいけど 。 」
いつもの無表情でどうでも良さそうに俺を見上げた 。
ほんとに自分のことになると 、 面倒そうにするよなぁ 。 無気力な感じが宮原のいい所なのかもしれないけど 。
しばらく腹の上に跨っていた 。
重たいかな 、 とか女の子のように気を遣わないのは 、 相手が相手だから 。
宮原も嫌そうではないし 、 俺軽いし 。
凛 : 「 …… いつまでそこにいんの 。 」
「 俺が飽きるまで? 」
凛 : 「 あっそ 。 」
興味無さそうに返事しながら 、 ゆっくりと起き上がった 。 宮原が起き上がったことで腹から太ももら辺にずり落ちて 、 向かい合うようになる 。
抱っこされた体制に 、 目の前の身体にポスッと寄りかかった 。
凛 : 「 … 倉持ってさ 、 誰にでもこんな距離感なわけ? 」
急な質問に顔を上げて 、 ジロジロと目の前のイケメンを見つめる 。
さとちゃんや龍ちゃんには距離が近いって言われるけど 、 誰にでもな訳じゃない 。 好きな奴にしか抱きついたりしないし 、 自分から近づいて抱っこされるなんて初めてだ 。
そもそも付き合うことすら初めてなのに 。
「 こんなに近づいたことねぇもん 。 」
凛 : 「 ………… あっそ 。 」
「 なんだよ〜 、 自分から聞いてきたくせに!俺が知らないやつとニャンニャンしても良いのか!? 」
凛 : 「 そんな事したらお前のちんこ切るからな 。 」
急に真顔になるなって 、 怖いわ 。
意外と俺のこと好きなんじゃん 、 って言うと調子に乗るなって怒られそうだからやめといた 。
そんなこんなで 、 午前はベッドの上でダラダラゴロゴロ 。 大学までは近いし 、 ゆっくり昼ご飯でも食べに行こうと近くのファミレスに向かった 。
悟 : 「 お待たせ〜 … って 、 宮原 。 彼方と一緒にいんの珍しいな! 」
「 宮原 、 こいつがさとちゃん!めちゃくちゃ良い奴なんだ〜 。 」
凛 : 「 はぁ …… 。 」
「 で 、 こいつが龍ちゃん!龍ちゃんはヤリチンだからあんまり近寄らない方がいいな 。 」
龍 : 「 あれ?そんなふうに思われてたの? 」
午後まで暇だと言っていた二人を呼び出して 、 一緒に昼食をとることに 。 ついでに交流会も 。
窓際のボックス席に詰めて座る 。
俺の隣に宮原 、 対面にはさとちゃんと龍ちゃん 。
メニューを開いて何にしようか悩んでいると 、 覗き込んできた宮原がドリアを指さした 。
凛 : 「 これにしなよ 。 」
「 え?なんで?俺はピザがいい! 」
凛 : 「 俺はドリアとピザが食べたい 。 半分こ 。 」
「 …… 天才!! 」
お得すぎる情報に思わず拍手 。
宮原はそんな俺に優しく笑って 、 トイレに行くと席を離れた 。
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