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高校生雅視点 友人
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宮前優という男を形容するとするならば、
まさしく「良い奴」である。
基本文武共に程々にできて、名は体を表すと言わんばかりに優しいやつだった。
だがその見た目(とにかく紫髪とピアスの威圧感が凄かった)のために、入学から一月余りたった今でも友人ができておらず、髪型、服装共に特に指定がない高校とはいえ、どうしてそんな風貌なのかと尋ねると、
「美容師目指してて、試しに自分で染めてみたんだ。」
とのことだった。
さらに、中学の頃はうまくやっていたが、そもそも余り人付き合いが好きではない、むしろ嫌いな俺も、例に漏れず友人がいなかった。
そうして、俺と優は余り物同士で過ごすうち、親友のような関係性となった。
6月末の、季節は夏に差し掛かったある日、
空き教室で二人で昼食を摂っているとき、
ふと優が口を開いた。
「ねえ、言いたくなかったら言わなくていいんだけど、」
「何?」
「今日気温三十度あるけどさ、なんで長袖なの?
汗すごいし、顔色悪いけど。」
傷を隠すため、なんて言える筈はなく、
心配して言ってくれている優には悪いが、
俺は嘘をついた。
「あー、、俺、日焼けすると肌が赤く痛くなるから、焼かないようにしてるんだ。」
「ふーん、、、」
一瞬、優の視線が鋭いものに変わった気がした。
「そっかーだから雅超白いんだねー」
視線の鋭さはすぐに元の柔らかさに戻り、納得したようだ。
優は時々、全てを見透かしたような目をする。
思えばこの時にはもう、優は俺の隠していることに気づいていたんだろう。
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