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高校生優視点 出会い
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初めは目を引かれただけだった。
少し長い黒髪の、色素の薄いきれいな顔立ちをした、
首筋に傷の見える彼に。
興味を惹かれただけだった。
入学式の最中、酷く退屈そうに校長の話を聞き流す彼に。
話をしてみたくなって、声をかけた。
ほんの一瞬迷惑そうな顔をして、すぐに微笑を顔に貼り付ける彼を見て確信した。
ああ、彼も俺と同じ嘘をついて生きてきた人間なのだと。
軽く当たり障りのない話をして、入学式を終えたあと、
教員の指示通り教室へと向かう。
教室に入るとすぐに、窓際の席に佇む彼を見つけ、窓の外を見つめるその目を見た。
自由席だったようだから、彼の隣にする事にした。
彼ともっと話してみたくて。
あんなに悲しそうな美しい目の人を、俺は見たことが
なかったから。
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