アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
高校生優視点 介抱
-
7月中旬の、この時期とは思えない炎天下だった。
思えば朝から具合が悪そうだった。
見落としていた。
油断していた。
日が高くなった午後、体育の授業中。
その日はサッカーで、雅は相手チームだった。
試合もそれなりに盛り上がって、うちのチームが優勢。
「月城ー!」
相手チームの男がミスって高いパスを雅に飛ばす。
雅の方を見ると、顔色が悪く、足取りもおぼつかない様だ。
このままだと頭に───
精一杯駆け寄るが、間に合わない。
「雅!避けろ!!」
できる限りの声で叫ぶが、もう恐らく聞こえていない。
案の定ボールは雅の頭部に直撃し、そのままの勢いで
雅の体が地面に倒れそうになる。
どうにか頭が地につく前に間に合い、抱え上げて体育教師を呼ぶ。
意識はないが、息はある。
下まぶたを軽く指で下げ、血管の色を見ると、血の気が引いている様子だった。
教師は恐らくは軽い脳震盪と貧血といったところだろうと言って、俺に雅を保健室に運ぶよう指示した。
意識がなく、掴まることができない以上背負うのは危ないから、横抱きにして運んでいく。
運びながら外傷がないか確認していくと、右足首が赤く腫れていた。
受け身も取れずに倒れたから、その時ひねったのだろう。
きっと腰も背中も強く打ち付けて痛めている。
保健室にたどり着き、両手が塞がっていたので足でドアを開けようとすると、ドアには出張中の文字。
仕方ないので勝手に使わせてもらうことにする。
ドアを開けて、奥のベッドに雅を横たえる。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
39 / 48