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はじめまして。
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仕事があるからと魁くんの目覚めを待つことなく病院を後にしたお父さん。
その背中は今までの苦労を物語っているみたいで、胸を締め付けられた。
「後はこちらにお任せ下さい。まずは体内からお薬を抜くことに専念しますね」
「はい、よろしくお願いします」
精神科医の朝霧先生任せて転院手続きが済んだことだけ桐生先生に報告しよう。
また隼人くんが出るのかな。
「あ〜もしもしぃ飯窪です〜。今お時間いいですか?」
「んーっとね、……………」
なんも言わないんかーい。
「あ〜忙しそうならかけ直しますよ」
「あっ違うの!スピーカーどれだっけ?」
またそれか。
「これだっけ?……わっ!飯窪先生の変な顔!!」
まさかとは思ったけどカメラマークを押すとは。
「隼人くんの顔も見えてるからねー」
しかも変な顔って。
「ねえこれどうやって戻すの?飯窪先生がぶすくれてるー」
「スピーカーにはなってるからそのままでいいんじゃないか」
「あっほんとだ」
夫婦漫才デビューとかいかがです?
車内からの映像だから揺れてるな。
「隼人くん、車の中ではなるべく下を向かないほうがいいよ。酔っちゃうからね」
「こう?」
「そうそう」
「で、何の用だ」
デートの邪魔しちゃったからっていくらなんでも邪険にしすぎじゃないですか!?
「例の、皆川さん。転院手続きが終わって精神科病棟に入りましたっていう報告と。明日の会議の時間が変更になってるんでメール確認しといてくださいね〜。以上です」
「あぁそうか。患者の様子はどうだ?」
「相当ひどい処置を受けていたみたいで痩せこけていました。起きたら暴れるとかで起きる時間がないように計算して睡眠薬と鎮静剤を断続的に投与されていたとか」
「そうか…」
「朝霧先生は体内の薬を抜くことに専念すると」
「あぁ、そうだな」
「お父様もかなり疲労困憊な雰囲気だったのでお父様のケアも必要になってくるかもしれません」
「そうか、分かった。ではまた何かあったら連絡してくれ」
「はい、失礼します」
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