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再発
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side 飯窪
若い受付嬢が必死に謝っていてどう伝えるか悩んでいたんだけど、思ったままを伝えて丸く納めたら超泣いた。
超泣かせてしまった。
俺が泣かせたみたいじゃん。泣かせたけども。
すぐにその場から離れたかったのに聞き覚えのある声がそれを制した。
「鉄メンタルって呼ぶなっつってんだろ〜。あと声がでかい」
「あーごめんごめん。鉄メンタル先生が女の子いじめてんのかと思って大きい声出しちゃった」
鉄メンタルって呼ぶなってのは無視なのね、相変わらず。
「いじめないでしょ。どー考えても」
「いやー鉄メンタルだからなぁ。何考えてるかわかんないからなー」
「あっ。美谷さんごめんね。もう大丈夫だから休憩しておいで」
矢代くんと話してたら受付嬢のこと忘れてた。
「はい、失礼します…」
「んで、今日はどうしたの」
「何ぶすくれてんすか?近くに来たから鉄メンタル御一行の様子を見に来ただけっすよー」
鉄メンタル御一行ってなんだよ。
初めて聞いたよ。
「あぁそう。俺に会えただけで大収穫だから帰りな」
「えぇ。桐生先生は?休み?」
「会わない方が身のためかな」
だってねぇ。今君に会ったら………あ?
「ねえ矢代くんさぁ」
「はい?」
いや、どう…、
「あー、うん」
「は?何?」
うん。
「あの、ケントくんっていたじゃない」
「あぁ、ケント?それが?」
「今どうしてるかなーって」
「あいつなら、消防士の合宿で山行きましたけど」
「あ、そう…。どれくらいで帰ってくるんだろうねー」
「半年くらいって言ってましたよ。んでも鉄メンタル先生ってケントのこと覚えてるんすね」
そりゃー覚えてるでしょ。あんなことがあったんだから。
ていうか半年ってまた長い期間…。
「ケントのこと気にするなんて珍しいすね。なんかあったんすか?」
「んーん、なんもない。さっ今日は帰った帰った」
「いつにも増して冷たいっすね」
いつも冷たいみたいに言わないでよ…。
こう見えても根は優しいって自分では思ってるんだから。
「どうせ鉄メンタルですから」
「あ、認めた」
「認めてない。呼ぶなよ?絶対呼ぶなよ?」
「振り?」
「違うわ」
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