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勇者の証
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『今日まで待たせて申し訳ない』
そうケントって人に謝られたのは覚えてる。
キリちゃんが抱き寄せてくれたことも
いつの間にか来ていた飯窪先生に頭を撫でられていたことも覚えてる。
今は夜で部屋には誰もいない。
夢…だったのかな。
解放されたくて夢を見てしまったなら俺は
なんて浅ましいんだろう。
喉渇いた。
サイドテーブルにあるペットボトルを取ったら何かが落ちた。
暗くて見えないや…。
ベッドの電気を付けると見えた一枚の名刺。
…………………
夢じゃ、ない。
夢じゃない。なら。
『笑って!』
と言われたのも
『隼人は悪くない』
と言われたのも、全部。
本当のことなの……………?
勝手に溢れる涙。
拭っても拭っても溢れ続ける。
会いたい。
キリちゃんに会いたい。
抱きしめてほしい。
寂しい。
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