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会いたい
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ケントくんと会った時には放心状態だったけど今は激しいパニック状態。
桐生先生の胸に抱かれながら声を上げて泣いている。
辛く、悲しい出来事を思い出してどうしたらいいか分からないんだ。
当時泣かない子だったから尚更。
どこかの処置室に拘束して放置されたり、苦情の手紙を目の前で読まれたり人としてあり得ないことをたくさんされたと聞いた。
『死ね』と言われたこともあると。
「死ぬ…死ぬから……もうやめて…」
ちょうど思い出しているのか、桐生先生の中から逃れようとしている。
桐生先生は離す気など全くないようだけど。
「痛い……苦しい………こわいぃ…」
抱きしめられているのが痛いわけではないだろう。
記憶の中の何かが、痛くて苦しくて怖いんだ。
ボロボロ涙を流して号泣する姿は胸が張り裂ける気持ちでこっちまで辛いよ。
「大丈夫。痛くない。苦しくない」
「こわいい……暗い……」
「大丈夫。怖くない。俺がいる」
こうして数時間、ゆっくり落ち着かせていると体力の限界だったのかぐったりと眠りに落ちた。
治せるだろうか。俺たちに。
リア充爆ぜろと思ったことはないなんて言えないけど、また夫婦漫才が見たい。
スピーカーのやり方教えるから。
桐生先生の秘書でもなんでもやったらいいよ。
2人ずっとくっついていちゃいちゃしててよ。
大好きな桐生先生の手、いつでも握ってていいからさ。
今みたいに握ってていいから。
過去の記憶に怯えながら必死で見つけた桐生先生の指。
そうやって寝ながらでも握りたい時に握ってたらいいからさ。
お願いだから笑って。
泣かないで。
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