アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
人間不信
-
「鉄メンタル先生!!」
数日後、矢代くんとケントくんが来院した。
「飯窪先生、本当にいいんですか?」
「うん。桐生先生が許可してくれたから」
關燦病院で投与されていた薬が抜けきって状態が安定してきた魁くんに、ケントくんを会わせたい。
そう提案したのは、俺の小っ恥ずかしい決意表明の翌日だった。
魁くんのお父さんが行方をくらましたことで、關燦での魁くんの扱いや彼の抱える事情を知る人がいなくなってしまったから、唯一の顔見知りであるケントくんを経由して話を聞けないかと思った次第だ。
そして魁くんの性格なんかも分かれば、隼人くんと対面させてみたいとも思っていると伝えた。
話さないことも時には大切だけど、話せば分かることの方が圧倒的に多い。
隼人くんに関しては周りが騒ぐのが何より逆効果な気がする。
当人同士で話して間違いを受け入れる。それができればいいなって。
「電話でも伝えたけど、俺は外で待機しているから何かあったらすぐに呼んでね」
「はい!僕はできるだけ情報を聞き出せばいいんですよね。隼人と魁と、桐生先生のために」
「うん。ありがとうね」
「いえいえ!俺も聞きたいこと山ほどあるので」
…大丈夫。ケントくんなら大丈夫。
そう信じて、魁くんの部屋へ送り込んだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
63 / 66