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〜唯人side〜
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
「うっわ、すっげぇ長ぇため息だな。なんか昨日あったのかよ。」
「ん〜……それなりに……」
今はお昼休み。
男子は普通、売店でご飯の「争奪戦」をしている時間……
「うっ、そ、そだつせん……」
「あ?争奪戦?お前今から売店でも行くのかよ。昨日弁当だったじゃねぇか。」
「ん……おべんと。でも争奪戦……」
「いやどっちだよ。」
さっきからツッコんでばっかくるこの男、宮野千明は俺の唯一無二の友達。
昨日、初めて声をかけてくれた人だ。
それをきっかけに趣味やらなんやら話し合うと、意外と共通点が多くて話し込むようになった。
こんなキラキライケメン青年に声をかけられるなんてなぁ……
に、比べて俺は、黒くて分厚い丸ぶち眼鏡にふわふわして纏まりのない黒い髪の毛。
ひょろひょろで折れそうな細くて……色素の少ない白い肌で覆われた腕。
昨日嫌われた人とはまるで大違い。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
「うぉっ、おま、ほんとなんなんだよ。」
「んーん、あ、千明。」
「ん?なんだよ。」
「千明って、東雲……えぇと、継弥先輩って知ってる?」
「へぇ、やっぱりこの学校2日目でもアイツの名前くらいは聞くのか。あぁ、アイツならこの学校で超有名な奴だよ。それこそ毎回毎回休み時間ごとに争奪戦が起こるくらい。」
「やっぱそうだよなぁ……」
あー、だめだ。ご飯食べる気なんない……
ぐてーと、机に這いつくばる。
「で?なんで急にアイツの話聞き出したんだよ」
「いや、それはどうしても東雲先輩の連絡先を聞き出さなくてはならぬ事情がございまして……」
「はぁ?女に脅されてんの?」
「え、違う違う!脅されてないよ!」
「じゃなんだよ。」
「それこそ、昨日学校が終わってからの話だよ。」
「ふーん、なんか長くなりそうだな……よし、ご飯食べながら話そーぜ。お前どーせ食べないつもりだっただろ。強制で食べさせマース」
「う……はい」
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