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それはいつも通りの帰り道だった。
くぁ…と小さな口であくびをした猫目の男の子がマフラーに顔をうずめ、しんとした暗い夜道を音楽を聴きながら歩く。
歩道橋を渡って、公園を抜けながら、
今日のバイト先での出来事を思い出し眉をひそめた。
「なんだったんだあいつ…。」
顔見知りでもなんでも無い客に、会計の時にそっと手を握られたのだ。
それが女の子ならニッコリ連絡先でも聞くところだが、生憎、男。
思い返しても背筋がぞわぞわする。
「立花くん、」と制服の名札をばっちり見て呟いた客はそのまま店を出たがどうにも気味が悪い。
「…、バイト変えるか……。」
面倒くさいな、とため息をついた瞬間、
ばさりと布の音と共に視界が真っ暗になる。
袋の様なものを被せられている、そう理解し咄嗟に抵抗するも、それを見越していたかのように腕が回り首を絞められ、薄くなる酸素に脳の血流が阻害され、手足が痺れてゆく。
「ーーーー、」
嫌に聞き覚えのある声と共に意識は途絶えた。
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