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俺の中で、これこそが恋愛感情なのだと
大切にするべきだと縛っていた、俺を好きになってくれる女の子に対してのそれと
親友に抱いた燃えるように熱くて、海底を迷うように苦しみもがくそれとでは大きく違った。
そして俺はまた、後者に似た何かを
この胸で感じ始めていた。
あれからもう4年の月日が流れようとしている。
俺のこの気持ちはもう、恋心なんて生易しい単語で片付けられる物ではない。
罪悪感と、執着心。
それらにいくつもの負の感情を入り混ぜた、一言では言い表せない闇深い何か。
忘れられない卒業式。
結ばれないと知っていて、想いを伝えろと
彼の気持ちも考えず、軽薄な事を言ってしまった自分が許せなくて、
未だに前を見る事ができなくて。
君は元気にしているだろうか。
苦しみを乗り越えて、幸せな毎日を過ごしているだろうか。
前を向くことを、許してもらえるだろうか。
自宅に戻るも、同居中の幼馴染みは留守らしく、
時計の針の音がやけに響いて耳につく。
あの日を思い出しては酒に手を伸ばすこの日々に
そろそろピリオドを打ちたい。
そんな気持ちにさせてくれたのは
出会って間もない男の子。
ほんの1時間前まで隣にいた
俺の胸を焦がす太陽のような子だ。
シャワーを浴びて、彼との約束に備えた。
気のせいかもしれない。
影を重ねているだけかもしれない。
でも、そうじゃないかもしれない。
その答えを、今夜導き出そう。
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