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四章九話 初夜
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口付けをすると、春哉は自分の心臓の鼓動が早くなるのを感じて影井に体を預けた。
広い胸板に頭を寄りかからせると、影井がそっと両腕で抱き締めた。緊張して固くなっていた身体の力が、少しずつ抜けていった。
「ご両親に連絡するか? 今日は、多分帰せそうにない」
「もう連絡してあるよ。今日は泊まるって言ってある」
「用意周到だな」
「まぁね」
肩を支えられて寝室へと連れられた。
思い出すのは来た頃に影井と一緒に眠った時の事だ。
あの頃は道具扱いをしないで春哉をまともな人間に戻そうとしてくる影井に苛立ちを覚えていた。
今では良い思い出だ。
思い出すと同時に影井への感謝が溢れてきた。
「影井さん、ありがとう」
「なにが」
「僕を受け入れてくれて」
振り向かされて、キスをされる。温かい抱擁に春哉は目を瞑って影井の背に両手を回して抱き着いた。
影井は春哉をベッドに仰向けに寝かせ、ズボンのベルトを外した。ズボンのフックを外してファスナーを下ろすと白い下着が見えた。
「か、影井さんっ」
「どうした?」
「そんなまじまじと見ないで。なんか恥ずかしいよ」
「大丈夫だ、これから何度も見るから。見られる内に慣れてくるさ」
「そんなぁ」
「そんな事気にしないで力抜いてろ」
そう言うと影井はズボンを全部脱がしてしまった。シャツにブリーフパンツという姿に、春哉は少しの間抜けさを感じている。
「あれ、春哉はブリーフ派だったか? 言ってくれればここにいた時ブリーフにしたのに」
影井が用意していたのはデザイン性のあるボクサーパンツだ。
だが、春哉は実家に戻ってから母親に服や下着を用意してもらっていた。母親は子供の頃と同じようにブリーフを買ってくるのだ、文句を言わずに履いている。
「違うよ〜。お母さんがブリーフの方が機能性が良いって言うから……」
「ははっ、お母さんが買ってくれたら断れないもんな」
「なんか恥ずかしいけど。いいんだ」
そんなブリーフを脱がされると、春哉の男性器は半立ちになっていた。
そんな男性器を、影井はパクりと口の中に入れてしまった。
「ちょっ、影井さん!?」
生暖かい口内の中、いらやしく動く舌に春哉の男性器は完全に固くなった。
喉の奥まで入れられたかと思うと、すぐ浅いところまで引き戻される。これを繰り返されるとイキそうになった。
フェラをされるのは初めてだ。ぬるりとした柔らかい舌の動きに、男性器は過敏に反応してしまう。
「影井さん……い、イっちゃう……」
春哉がそう言うと、影井はフェラをやめて玉やその下を丹念に舐める。
「や、やだ、そんなとこ」
「俺に任せなさい」
「だって、こんなの……なんか怖いよ」
必死に訴えると玉を舐めていた舌が止まった。安心したのも束の間、両足を広げられてしまい、露わになった尻穴に影井は舌を這わせた。
初めての感覚にむず痒くなるが、穴をこじ開けて中に舌を侵入される。
「や、洗ってくる! 洗ってくるから!」
「気にしなくていい」
「気にする!」
そんなところを念入りに舐められるとは思っていなかった為、身体を浴びなかったのだが、知っていれば先にシャワー室に駆け込んでいた事だろう。
影井との行為は春哉が知っているものではなかった。自分が影井を気持ち良くするのだと意気込んでいただけに、何もする事なく喘いでいるのが落ち着かなくなる。
両足を大きく広げている事には動じなくても、前戯と呼ばれるその行為は、影井の反応が気になって仕方なかった。
(何もしないで喘いでちゃ嫌われちゃうよ。僕も影井さんに何かしてあげなくちゃ……でも、もっとして欲しいなんて……)
理性を取り戻そうと感じていないフリをして行為を中断させた。
「影井さん。次僕がやるから交代してよ」
「舐められるのは嫌か?」
「い、嫌じゃないけど……ソワソワする」
「これから慣れなきゃいけないからな、我慢しなさい」
そう言う影井は今まで見た事のないような爽やかな笑顔を浮かべており、困っている春哉を見て楽しんでいるようだ。
影井に我慢しなさいと言われたら逆らえない春哉は力を抜いて影井に全てを任せた。
舌でこじ開けられた尻穴はヒクヒクと期待をしている。そこに影井は指を一本入れた。
「ひゃっ!」
「大丈夫か?」
「うん……」
今まで性処理として尻穴を使われてきたが、こんなに優しくされた事がなかった。春哉の胸に切ない気持ちが押し寄せる。
指を二本、三本と、ゆっくりと増やされ、その間影井は春哉の唇にキスをしている。舌と舌を絡ませ唾液が行き来する。
舌が擦れる度、ジンと甘く痺れる感覚に春哉は理性を手放す。胸に残ったのは影井への愛だ。
両手を影井の背に回してギュッと抱き寄せて、心からの欲望を言った。
「影井さん……あなたが欲しい」
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