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どうせ(4)
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類side
まさか付き合ってくれるなんて思ってもみなかった。
手を繋いだら顔を赤くして下を俯いている時とか、ソフトクリームを美味しそうに頬張っている顔とか、
どれも可愛く見えてしまう。
暫くゲームセンターで時間を潰せばもうこんな時間かと腕時計を覗く。
類「そろそろ帰ろうか、家の人たちも心配するだろう。」
司「あぁ、そうだな。」
建物から出ると、周りの人はいない。
人が多いからという理由で手を繋げないと気づいた。
司「.....手、繋がないのか。」
さて帰ろうかと歩きだそうとした時、彼は僕のカーディガンの裾をくいっと引っ張る。
少しいじめてみたくなって、わざと聞いてみる。
類「....人、余りいないけど?」
司「ここに来る時だって、余り人がいなかったのに手を繋いできたのはお前だろう。」
目を丸くして驚く。
まさか、さっきも人が余りいなかったなんて。
段々と恥ずかしくなり、ふつふつと熱が込み上げてくるのが分かる。
彼の顔を見れば、真っ赤っかになっており 自分とお揃いだと気づく。
司「....そういえば、今日の実験はしなくて大丈夫だったのか?」
類「?実験をするなんて言ったかい?」
司「? 付き合ってと言ってきたじゃないか。」
類「あぁ、そういうことか。付き合ってって、そういうことじゃないんだ。」
どうやら彼には伝わっていなかったらしい。
行動で示せとはよく言うものだ。
ならばお望み通り示してやろう。
自分より一回り小さい彼の手を握り、もう片方の手で後頭部を抑える。
口と口が重なれば、静かな空間が作られる。
顔の距離が離れ、暫く見つめ合う。
類「...こういう事なんだけど?」
司「へ、 ぁ.... 、ぇ...」
大スターとは思えないその間抜けな顔。
耳まで赤く染めて、愛らしい。
彼からの返事を待っていると、頬にキスをされ逃げられる。
逃がすまいとその後を走って追いかける。
ほんと、君と出会えて良かったよ。
【END】
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