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俺、立花裕は25歳ながらも小さなIT企業の社長をしている
大学の時に作った英語学習アプリが成功し、大学を卒業して間もなく会社を立ち上げた
そして今、なぜか創設メンバーの内海蒼汰に迫られている
「ねぇ?俺と付き合おうよ」
「えっ」
「裕のことずっと好きだった
あんな奴に取られたくないよ」
蒼汰の言う「あんな奴」とは、関太一のことだ
太一は二カ月前にオフィスの前に倒れていたのを助けて以来、仕事と家が見つかるまでという条件付きで居候している
さっきコーヒーやお茶菓子を買うためにスーパーに出かけた
「裕は俺のこと嫌い?」
「そうじゃない、けど」
「けどなに?」
「俺男だよ?」
「知ってる
でも裕が好きなんだ」
「うん、あり「ただいまー!」
俺の返事は遮られてしまった
慌てて体を離して平静を装ったが内心はバクバクだ
蒼汰の気持ちには気付いていたが、太一が現れてからスキンシップは減り休日に2人で出かけることも少なくなった
てっきり太一のことを好きになったと思っていたのに…
突然迫ってきて「好きだ」と。
もやもやしたまま時間は過ぎ去りあっという間に夜になった
蒼汰は作業が終わったらしく帰りの支度をしている
一日のやることが終われば好きなタイミングで帰っていいというのが俺たちのルール
「一緒に帰らない?」
「んー、もう少しここを進めたいんだ、先に帰っていいよ
太一と話もしたいし」
「そっか、じゃあ先に帰るよ
お前もほどほどにな」
「ああ、お疲れ」
作業は20分ほどで終わった
太一は隣の部屋でテレビを見ている
「太一、少し話したいことがあるんだけど」
「なにー?」
「お前、仕事探しはしてるの?」
「してるけど、なかなか」
「部屋探しは?」
「定職ないし保証人もいないってなると貸してくれない」
「保証人になってやるからってこの間言ったじゃん」
「うーん」
「じゃあまず来月までにバイトでもいいから仕事見つけなさい」
「はーい」
「じゃあな」と帰ろうとしたところで後ろから抱きしめられた
「な、に?」
「昼間、蒼汰さんに言い寄られてたでしょ」
「なっ!」
「僕の方が裕さんのこと好き」
「え?」
「ねぇ、僕と付き合ってよ」
なんなんだ
ほんとに、
「気持ちは嬉しいけど応えられないよ」
「なんで?やっぱり蒼汰さんが好き?」
「そうじゃないけど、」
「そっか。でも諦めないよ」
そういうとぱっと離れてまたテレビを見始める
2人の告白にはっきりと返事が出来ないまま一日を終えた
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