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獣人国の王1
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ジェスが何故テアの所に来たかというと、
起きたらある人へ呼んでくるように言われていたからである。
テアを連れて広い廊下を歩いてたどり着いたのは、
立派な彫刻が彫ってある白いドアだった。
「失礼します。陛下、テア様を連れて来ました。」
ジェスがノックをし、しばらくすると
「入ってこい」
と低い声が聞こえた。
ドアを開けると、
テアを買った男がそこにいた。
テアはまじまじとその男を見た。
その人はあの時、あの日、
オークションでテアを買った男だった。
黒髪に、黒い小さな耳が生えていて、
肌は少し焼けていて健康的な肉体美であった。
しかし、表情は冷たいもので、
一切テアに微笑みさえ見せなかった。
何よりも宝石のように青く光っている瞳には、
美しいが冷たく感じ、
まるで彫刻像のようで、
テアは緊張した。
「…随分とよく寝ていたんだな。
俺はここ獣人国の王、ディオエール=ヘヴェニストだ」
ここは挨拶をした方がいいのかなと、テアが自己紹介しようとしたが、止められた。
「俺はお前に興味はない。
お前を買ったのはオメガであるからに過ぎない。
それに…」
グイッと引っ張られテアの首に鼻を近づけ匂いを嗅ぐ
「どうやら、俺らは運命の番とやらに違いないらしいからな」
そう言ってパッと手を離し、テアを睨みつけた。
「お前は今日から俺の子供を産んでもらう道具だ。」
言葉の理解をまだあまりしていないテアにはさっきの意味がどういう意味なのか分からなかったが、
ディオの冷徹な顔からして、
とても酷い事を言ったんだなと理解した。
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