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12.愛とは何か
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テアは今、言葉と意味を理解する為にセシリーと一緒に図書館に来て絵本で学んでいた。
セシリーのおすすめの絵本はあるかと聞くと、
これだよと持ってきてテアに渡した。
その本は、アルファとオメガの運命の番の物語で、
獣人国の有名な絵本でもあったものだ。
--ある日、街を歩いているオメガのフランが、街にやって来ていた運命の番に出会う。
最初は魂が惹かれあっていただけだったが、
一緒にいるうちに、本当に愛し合い、
子宝に恵まれる--
というお話をセシリーが、絵本を読みながら、説明してくれた。
運命の番に憧れているらしいセシリーが瞳をキラキラさせながらうっとりと僕も運命の番に出会ってみたいなぁ
と笑顔でそういった。
だが、テアは分からなかった。
惹かれ合うというのは体験してわかっているが、
愛し合っていないのに、赤ちゃんなんて
作れるのだろうか…
でも、確かに、ディオエールからは
子を産めと言われた。
じゃあ、愛し合うってこと?
---愛ってなに?---
絵本を読み終わったが、もう一度読みたいと思い、絵本を借りてセシリーと別れ自室に戻る。
部屋に戻る廊下で丁度いいところにジェスに会う。
ジェスもテアに用事があったようで、
二人で部屋に入り、備え付けられた椅子に座る。
ジェスはテアの体調の心配をしにやって来たらしい。
そんなジェスにホワホワと心が温かくなり、
顔が緩くなった。
ジェスにいつものように、
文字の練習を手伝ってもらい日常会話くらいの文字なら書けるようになった。
そしてテアは今日、絵本でアルファとオメガの愛の物語の話をして、
愛って何?
愛し合ってないのに赤ちゃんって出来るの?
とジェスを困らせていたのは言うまでもない。
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