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「昨夜は格好悪いところ、見せてごめん」
ばつの悪そうな顔を見せたのは一瞬。
「おはよう」
耳を甘噛みされて飛び起きた。
「朝からやめろ」
頬の腫れは痛々しかったけど、楽しそうに笑う瑠衣にほっとする。
「ケイさん、酷い寝癖」
そういう瑠衣は寝起きのはずなのに、綺麗なまま。俺は少しくせっ毛だから、いつも寝癖が酷い。
「さらさらストレートは全滅すればいいと思う」
悔しくなって文句を一言。くすくす笑う瑠衣を睨む。
「ケイさん……」
「……なんだよ」
「昨日は何も聞かずに話を聞いてくれて、ありがとう。俺、勉強、もう少し頑張るよ」
その言葉に少し胸が痛くなった。
根は真面目な奴なのかもしれない。世の中の理不尽に逃げるのではなく、立ち向かうつもりなのか……
瑠衣は笑顔で帰っていった。
心配しながら出勤すると――
「あー! 康介さん、キスマーク!」
他の従業員にもバレてしまった。
「年上? 年下?」
「下」
「何個下ですか?」
「……7」
「やばっ! 犯罪じゃないですか!」
そういえば、キスマークについて注意するのを忘れていた。あいつは何を思って、こんな跡を付けたんだろうか……
「タイガさんは彼女さん、いますか?」
その場にいたタイガにまで飛び火。
「いないよ」
そう答えると、店の女の子達が浮き足立つ。
「じゃあ、好きな人は?」
すぐには答えず、タイガが俺の方を向いた。
「……いる」
真っ直ぐな瞳。あまりに真剣に見られ、緊張が走る。
この意味ありげな目線はなんだ……
耐えきれず目を逸らした。
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