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・・・世界が、無音になった。
真っ白で、何も見えない。
自分が何をしていたのかも分からなくて、ああ、天国なんだって思ったところで記憶が途切れた。
次に気付いた時は真夜中で、いつものベッドに寝ていた。
「・・・え。」
「起きた?」
隣に寝ていた山野さんが、おれを抱きしめてくれた。
「いま夜中の2時だよ。水、飲む?」
状況が分からなくて、ぽかんと見上げた。
「・・・え。」
周囲を見渡すと、置いてあったはずのエアベッドは無くなっていた。
「体、痛くない?」
「から、だ?」
信じられないくらい、重い。
重くて、全然動かない。
「おしっこいく?」
「・・・うん。」
腰に力を入れると、激痛が走る。
腕さえも上がらなくて、山野さんに抱き上げてもらってトイレに行った。
「ごめん、こうなるとは予想してたんだけど、ハメを外し過ぎた。」
「ううん、おれも煽ったし。」
セックスのしすぎ。
何回イッたかも分かんないし、何回欲しがったかも分かんない。
今わかるのは、やり過ぎたってことだけだ。
猿みたいにって、お猿さんがどんなセックスするか知らないけど、快感を追った結果、全身筋肉痛で、頭もボゥッとして考えが纏まらない。
・・・非現実的なセックス、しちゃった。
トイレの横の脱衣所には、たぶん洗って干しているんだろうエアベッドが立て掛けてあった。
見えないけど、色んな大人のおもちゃもあるに違いない。
「山野さんは、体、大丈夫?」
「ん、俺は平気。もう1ラウンドいけそうなくらいだよ。」
ふふ、勘弁して。
「それって、薬の影響?」
「ん?・・・あー、いや、どうかな。」
煮え切らない返事を不思議に思いながら、ベッドに連れ帰ってもらった。
「何か食べれる?」
「んー・・・。」
お腹は空いた気がする。
とりあえず、あれから10時間近く経過していた。
「カップ麺、食べたいかも。」
「いいよ、何がいい?」
「・・・しょうゆ。」
お世話をしてくれる山野さんに甘えた。
というか、本当に腕を上げるのもキツクて、さっきもパンツ上げてもらったくらいなのだ。
動きたくても、動けない。
おれは山野さんにラーメンを食べさせてもらいながら、ほんの少しだけ恨めしい気持ちになった。
「ん、どうした?」
「おれのほうが若いのに、体力の差を感じただけです。」
「ブハッ!」
顔を見合わせて、お互いに吹き出した。
「明日は仕事、休めるの?」
「アポ取りしたものは入ってなかったと思うので、多分。朝から寺田さんに確認してもらいます。」
あんなことがあった週明けだから、なんか気になるけど、どうでもいい気もしている。
多分、まだ頭が働いてないことあるだろうけど、結局は山野さんからの愛が凄くって、そっちで満たされたから余計なことを考える隙間がないのだ。
「山野さん、明日は?」
「午前中に外来があるからね。」
そっか。
明日もずっと一緒にいれたらいいのに。
「じゃあ、早く寝ないと。」
「ありがと。でも昼寝したから平気なんだ。」
食べ終わったカップを片付けながら、山野さんは笑った。
「はい、水。」
「ありがとうございます。」
コップから飲ませてもらった。
残った水を見て、山野さんは枕元の小瓶を手に取った。
「飲んどくかな。」
「ええ?!」
媚薬の瓶を目の前で開けられて、おれはびっくりして声がひっくり返った。
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