アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
63.
-
次の日は、テスト2日目で最終日。
2教科だけど、数学がある。
駿くん、数学苦手なんだけど
…大丈夫かな。
2年生は英語があるらしい。
真田先輩は余裕の顔をしてる。
まだ今日は1度も振り返ってくれない。
真田先輩に触れられたのは昨日なのに
もうどこか遠く昔のように思える。
『問題用紙を配るぞー。裏のまま配れー』
前から順に配られる。
先輩、振り返ってくれるかな。
でも、先輩は、肩越しに手で渡してて
前みたいにこちらを振り返らなかった。
少しずつ変わっていく。
何故だか。
先輩が少しずつ、遠のいていく…のか?
…まさか。
テストが終わって、先輩達から質問攻めに合ってる真田先輩は、カバンを『よっ』と肩にかけて、オレの手を取って逃げた。
あれ?
オレの気のせいだったのかな。
「屋上に行こうぜ。」
「え。でも、昼飯はどうすんですか?」
「俺が買ってきたよ。」
「まさか、またチーズケーキだけとか?」
「あはは。違うよ。買ったけど。」
「クスクス。ちゃんと買ってるし。」
まだ、午後の部活まで時間がある。
今日もファミレスかなって思ってたから、先輩からの意外な準備に感動する。
真田先輩は、やっぱり優しい。
購買部で飲み物も買って屋上に上がると、結構な陽射しだった。
「あちーな。」
「ですね。」
「やっぱ、あそこ行くか。」
そう言って先輩は、出口とは反対にある給水塔のドアを開けた。中はヒンヤリとしてた。
窓から漏れる陽射しだけが頼りの
薄暗い部屋。
なんか、ちょっと怖いかも。
「ここさ。よく来んだ、俺。」
「先輩が?よく見つけましたね。」
「隠れて寝るところ。あと、筋トレとかしたり、ちょっと1人になりたい時とか。」
「へー。」
意外ついでに、ちょっと聞いた。
「じゃあ、あの日もここにいたんですか?」
「あの日?」
先輩は唇に指を当てて少し考えてた。
「はい。オレが3年のデブに告られて。」
「ああ。そうだったな。なんか、ドンて大きな音がして、お前の声が聞こえたから見に行ったんだ。」
優しく微笑む先輩。
眩しいほどにオレを見つめてくれる。
…胸が………苦しくなる。
先輩が、オレに近づいて来て
抱き締めてくれる。
にこやかに微笑みながら、
オレの髪の毛を耳に掛けた。
先輩は、オレの耳元に唇を当てて
「カズはモテるから、心配だ。」
囁きながら、耳をペロっと舐めた。
「//っ!先輩っ//」
背筋がゾクッとなる。
尚も先輩は続けて耳をハムハムしてる。
なんてことない戯れあいなのはわかるんだけど、もうオレの体は先輩から漏らされるため息にも弱くなってて
先輩の熱っぽい唇が、耳から首筋へと滑るように下りていく。ただそれだけなのに、もう…腰が、ジンジンする。
「俺がいなくなったら、心配だな。」
「先輩…?」
首元に響く音がやけに切ない。
唇にキスされて、やっぱり痺れちゃう。でも、先輩の低く掠れた声に、なぜだか胸の奥がキュッと苦しくなった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
63 / 96