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脱衣室の前、屋根に中で雨宿りをして待ってると、どこかから、ザーザーと降り続く暗い雨の中を誰かが走る靴音が聞こえた。
ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!
雨の中、何かが近づいて来た。
「カズ?!」
「駿くんっ!」
オレは傘を放り投げて、
思わず駿くんの首に抱き着いた。
「駿くん!」
「バカ!カズ!なんでここにいんだよ?」
「だって、心配だったから!」
「あそこで待ってろって言ったろ?」
「だって!」
「ほら、こんなに濡れて、風邪ひくじゃんかよ。」
「駿くんの方がびしょ濡れだよ。」
駿くんは、髪の毛も学ランも
全てがびしょ濡れになってた。
「脱衣室入ろうぜ。」
「でも、鍵が。」
「俺が持ってる。これを借りに行ってたんだ。でも、警備のオッサンが飯食いに行ってて、なかなか帰って来なくてさ。」
「そうだったんだ。」
駿くんは鍵を開けて、オレ達は脱衣室の中に入った。いつもの塩素の香り。暗くてよく見えないから、壁についてる電気をつける。
オレのロッカーを開けて中を見ると、
一番下にオレの携帯が転がってた。
なんかで飛び出たんだな。
良かった。
「駿くん、あったよ!」
そう言って携帯をかざしながら駿くんの方に振り返ると、駿くんは上半身…裸だった。
「あっ!ごめん!」
つい、目を背けたけど…
考えたら、いつもプールで見てるんだった。
「カズも着替えろよ。びしょ濡れだと風邪ひくぞ?ジャージ、持ってるか?」
「う、うん。ある、ある。そだね。風邪…ひいちゃうよね。」
なんでか、胸がドキドキしてきた。こんなの当たり前で、いつも着替えてるのに。なんか、オレだけが変に意識して…さ…。
オレは、駿くんに背を向けながら
学ランを脱ぎ始めた。
確か、予備のTシャツがあったはず。
クシュンっ
寒いかも…そう思った時
オレの背中が、ふわっと暖かくなった。
「カズ…寒いだろ?少し…こうしてようぜ。」
「駿くん…まずいよ…」
「なにが。風邪ひくよりいいだろ?」
「いや…でも…」
「少しだけ…なっ?」
まずいよ。
だってオレ…駿くんに…
ドキドキしてるもん。
駿くんの顔が、オレの肩に乗っかる。
「カズ…。お前の肌…スベスベだな。」
「ちょっ。駿くん。」
「ウソだよ。」
「は?なんだよそれー」
クスクス笑ってると、腰のあたりに
何かを感じた…。
「カズ…俺…ヤベーかも。」
「うん。」
「カズ…俺さ…」
「………うん…。」
背中に感じるのは
駿くんの速すぎる鼓動。
「カズ…寒いか?」
「大丈夫。あったかいよ。」
「カズ…」
「うん…?」
「こっち向いて、今度は俺をあっためてよ。」
「……………う、ん。」
オレは駿くんの緩んだ腕の中でくるっと反転してから、駿くんに抱き着いた。
「駿くんも、逆向いてよ。」
「……………」
「駿くん…?」
ふっと上を見上げると、駿くんがオレを
じ…っと、真剣な目つきで見てた。
少しも動かないであまりにもオレをじっと見てるから、オレもじっと見てたんだけど、
そのうち、そのまま……
そのまま、駿くんの顔がゆっくりと顔が近づいて来て、自然とお互いに瞼を閉じながら…
オレと駿くんは…
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