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epsode3 バレンタイン大作戦!!
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『2021年2月10日』
季節は、真冬。
今、自分が暮らしている地域は、窓の外に高い雪の壁が所狭しと並んでいる。
そして、気温は勿論氷点下。
「うーっ、さむ……」
僕らは、起きてすぐにコタツに飛び込む。
先に起きていた人がいた時はいいのだが、
1番先に起きてしまったときは地獄だ。
「うわっ!!」
コタツに潜り込んだ瞬間あまりの寒さに、
飛び上がってしまった。
「(あ、今日俺が1番か)」
寝起きの頭で、ついつい習慣で足を突っ込んだのが間違いだった。ちくしょー。
俺は、渋々……といった具合にまだ覚醒しない頭で、コタツのスイッチがあるタコ足配線を探す。
そして、やっとの思いで見つけたスイッチを押す。そして、暖かくなってきたところで、俺の意識はコタツに吸い込まれていった。
______________________
起きるとコタツは埋まっていた。
隣には、駿兄と梓さんがいて、電気式の掘りごたつはいい具合に温まっていた。
「よく眠れた?」
僕は、彼の返事に頷くと、彼は、そうよかったといつも通り穏やかな笑みを浮かべて言った。
梓さんは、というとこちらには、興味すらないようでついているテレビに夢中だ。
僕も、何気なく付いていたテレビをみると、バレンタイン特集をやっていた。リポーターのお姉さんが、高そうなチョコを幾つも味見している。
「チョコ……いいなぁ」
僕がテレビに映っているチョコに思わず、うっとりしていると、コーヒーを入れにいっていた駿兄が、隣に座る。
「そっか、もうすぐバレンタインなんだね〜」
駿兄は、僕の方をみて言う。
僕が頷くと、駿兄は言う。
「チョコ、俺も食べたいな」
最近貰う機会ないからね〜
そう言って、笑う駿兄に心底驚いて、
「駿兄、昔いっぱい貰ってたじゃん」
そう言うと、
「今は、もうめっきり」
駿兄は、少し悲しそうに笑いながらそう言った。
だから、チョコ貰えたら嬉しい。
そう言う駿兄に、僕はチョコを作ることを決意した。作るね、そう言おうとした矢先。
「俺、駿さんにチョコつくろっかな〜」
どこから聞いていたのか、梓さんがそう言う。
「ほんと、嬉しい!ありがとう!」
駿兄があまりにも、純粋に喜ぶもんだから、悔しくて僕も口をついて言葉が出る。
「駿兄、俺も作る!」
そう言うと、駿兄は無理しなくてもいいんだよと笑って言った。
それが、なんだか子供扱いされているみたいで、妙に悔しくて、絶対作ると心に誓った。
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