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epsode4 バレンタイン大作戦 2
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終礼が終わり、一目散に学校を飛び出す。
まぁ、その目的といっても、大概は早く家に帰ってゲームがしたい……とか、まぁいつもならそんな理由が大半なんだけど。
今日は違う。
『俺、駿さんにチョコ作っちゃおっかな〜』
昨日の、梓さんの発言が頭から離れない。
そのせいで、今日は授業中にボーッとしてたせいでえらい目にあったし散々だった。
俺、どうしちゃったんだろうか?
「大丈夫?和希朝からずっとそんなだよ」
友達も心配して言ってくれているが、
これ以上心配をかける訳にはいかないと首を振る。
「大丈夫、ありがとう」
そう、無理やりヘラッと笑って返すと、納得はいっていないようだったが、それ以上追求はしなかった。
「あんなことあったんだから、無理はすんなよ」
友達は最後それだけ言って去っていった。
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ここ数日、梓さんの一挙一動が気になってしまう。
「ご飯、できた」
ご飯をそつ無く完璧に作り、食卓に並べる。
毎日、家事を完璧にこなして、僕らの役にたっている。じゃあ、なんだ?
僕は、何か出来ているのか?
オマケに、最近は駿に褒められることも増えたみたいで、余計にデレデレしていた。
「ねぇ、どう?」
「うん、美味いよ」
梓さんは、普段クールだ。
だけど、今日は駿兄を上目遣いで見つめては、嬉しそうにしてた。
駿兄もまんざらではないようで。
笑いながら、梓さんに美味しい、美味しいと何度も言っている。
僕は、それがなんだかモヤモヤして。
リビングに入ろうとしていた足が止まった。
「ほんと、梓さん料理うまいね!」
「ありがとう、美味いわ」
そこには、理想の家庭像みたいなものが出来てしまっていたから。なんでもこなせる主婦に、優しい旦那。
駿兄は、女の人が好きで。
男を好きになるはずが無い、心の中ではそう言い聞かせるけれどやっぱりダメだ。
僕は、リビングに向かおうとしてた足を、自分の部屋に帰るべく、回れ右をする。
「和希、ご飯できたって〜」
途中で駿さんの声が聞こえたけど、
聞こえないフリをして部屋に閉じこもる。
2月に、入りたての。
氷点下になるくらい寒い日の出来事。
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※1 大学までの期間、学校に行かないのは暇すぎたので少しの期間編入してます。
※2 友達は、小学校時代の同級生。
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