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悪夢6
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パピヨンは一体何に怯えているんだろう
今もまたうなされるパピーの震える手をさすってあげたら体制を崩して自分の胸になだれ込む用に横になった、無意識にパピーは身を寄せてきた。
震えるパピー、背中撫でてやると落ち着いたがまたしばらくするとうなされてしまうのだろう、
「今は私がパピーを守るよ」
こんな子どもが安心して眠れないなんて事は異常だ。
発育が進まない痩せた体、所々に痛々しい痣、傷痕、どんな暮らしをしてきたのか、親でありなんであり自分を守り育ててくれる存在を失った子どもがこの世でどうなるか、なんて容易に想像がつく。
奥歯を噛み締める、今まで解放するために戦ってきた領土で売り物にされた子どもを沢山見てきた。
救えなかった命だ、だが今はその1人であるパピーがいる、救うなどと言う恩着せがましいのは無しにして、ただ、ただパピーに笑ってほしかった、子どものような笑顔で。
光の入らないその暗い両目はどうしたら輝くのだろう。
「ん?」
考えていたら、服の裾をきゅっと握ってきた。
無意識であろうと、可愛い甘えに思わずほころぶ。
好きなだけ握ってもらって構わない、それで落ち着いていられるなら、眠れるならば。
子どもは温かいと聞いた事があるが、寄り添って眠るパピヨンの体温は低いのか、温かいとは感じなかった。
そっと背中に手を回す、自分の手のひらの温度の方が高く、パピーが冷たい、毛布をかけると少しは温かくなるだろうか・・・
あれこれ考えて居るうちに、
朝日が登って、思わず苦笑いをしてしまうシアンだった。
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