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出会い
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メールの文が表示された画面をしばらく見つめた後、俺は何も考えることが出来ずその場へ座り込む。
分かっていた。いつかは終わると、分かってはいたんだ。
でも、本当は終わりたくなんてなくて、考えないようにしていた。
俺はそのまま倒れ込むように横になると、自分の体を小さく丸めて抱きしめ、窓から聞こえてくる雨音を聴きながら、そっと涙を流した。
ーー
「えっ、あの立花家の?」
「お金渡せばヤらせてくれるらしいぜ」
「立花くん、頼めば誰でもヤらせてくれるんだって」
そんな噂が流れ始めたのは、高校に入学して1ヶ月もまだ経っていない頃だった。
俺は中学へ上がった時から、大人の客を相手に体を売っていた。
それは、家の会社が発展するために、裏取引で俺の体が商品として扱われていたからだ。
噂が流れたのは、そんな俺の客として来たことがある男の息子が学園にいたためだった。
噂が広まって直ぐ、見知らぬ先輩にレイプをされ金を渡されてから、学園でも体を商品にして過ごしていくことを決めた。
そんな時だった。彼が現れたのは。
ある日、知らない奴らに旧校舎へ連れて行かれてすぐのこと、今からレイプされると言う時、閉められたはずの部屋のドアが開き、焦ったような、怒ったような顔をした彼が駆け込んできた。
「お前ら、何してんのかわかってんのか?」
低くゾッとするその一言で、俺をレイプしようとしていたヤツらは一斉に逃げるように去っていった。
そんな彼らを呆然と見届けたあと、俺は彼の方へ目を向ける。
彼は俺を見て苦しそうな表情を浮かべると"もう大丈夫だ"と言って俺の頭を撫でた。
そして支えるように俺の体を立たせると、1年寮の前まで送ってくれた。
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