アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
異変
-
ーー
最近、美月の様子がおかしい。
何処がぼーっとして元気がない。
この間までは普通だったはず......生徒会で何かあったのだろうか?
......まるで、会長と出会う前に戻ったみたいだ。
放課後、話があると言って部屋に美月を呼び出す。
「美月、最近何かあっただろ?」
そう聞くと、美月の体が微かに震え表情が固まった。直ぐにいつもの調子に戻って"何もないよ"と言ったが、何かあったのは一目瞭然だった。
「僕には言えないこと?」
問い詰めると、美月は困ったように笑う。
「.........なんでもないよ。本当に。....心配かけてごめん」
そう言って美月は下を向いてしまう。
.....やっぱり美月は、僕を頼ってはくれない。
どんなに僕が美月を心配をしても、美月は一人で抱え込んでしまう。
でも、きっと会長なら、美月の悩みも聞き出せるのだろう......
「.......分かった。もう何も気かない。その代わり.....話せる時が来たら、教えて欲しい」
その言葉に美月は安心した表情を浮かべた。
「うん......ごめんね」
一人で痛みを抱える美月を、本当は抱きしめて安心させてやりたいのに、僕にはそんなに資格もない。
それにきっと、僕が抱きしめても美月を安心させてやることは...出来ないのだろう。
.....あの時、美月を守れなかった僕には、もう美月を守る資格はないのかもしれない。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
7 / 14