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第5話
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「くそっ」
一ノ瀬は自分のスマホを見つめながら舌打ちをした。
初めの頃は俺に会うのが嫌で大学を休んでいるのとばかり思っていたのでそこまで気にしていなかった。
いや、本当は気にしていた。あれから1年経った今、どうして?と感じたが答えは出ることはなかった。
そんなある日、白雪の友達が一ノ瀬に相談をしに来た。
幼馴染だから何か知らないかと。
「白雪と3週間も連絡が取れなくて・・・アパートに行っても何日も帰ってないらしくて・・・挙句の果てにはこんなのがポストに入ってて・・・・。」
本当は持ってくるつもりはなかったんだけど気になって、中身見たらー・・・。
そういいながらいくつもの封筒を震える手で渡してきた。
「もし、白雪から連絡があったら教えてくれ。あと、いつでも俺の家来ていいからなって」
それじゃ、といい白雪の友達は講義へと向かっていった。
それを見届けた一ノ瀬は渡された封筒の中身を見た。
そこには目を疑うものがたくさん入っていた。
「なんだよ・・・これ・・・・。」
誰が見てもわかる。
「朔夜、お前・・・今、お前はストーカーから逃げてんのか?」
誰にも頼らずに一人でこの問題を抱えて?
何やってんだよ!
一ノ瀬はすぐに白雪が行きそうな場所をあたった。
だが、白雪の姿はどこにもなく姿を消してからもう1か月が経とうとしている。
「どこかでのたれ死んでたりしねぇよな?」
嫌な想像がよぎり頭を振った。
「早く見つけねぇと」
どうして自分がこんなに必死になって白雪を捜しているのかわからなかった。
初めの頃は自分のおもちゃがいなくなって少し退屈だったが煩いものがいなくなって清々していた。
そう思っていたはずなのに。
「どうして、こんなにあいつのことが頭から離れないんだ・・・・!」
何故か、付き合っていた彼女から言われたことを思い出した。
『それさぁ、彰人その子のことが好きなんじゃん。もちろん、恋愛的な意味で。・・・あんまり変な意地張ってるとその大切な幼馴染くん、彰人の目の前から消えちゃうよ?』
その時はなわけあるかと返したが・・・いや、そんなことを考えてる場合じゃない。
早く見つけないと本当に白雪がどこかに消えて行ってしまう気がした。
「くそっ!見つけたらただじゃおかねぇ!」
そういい走り出した。
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