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第22話
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「朔夜!いいか、俺が出た後、ちゃんと戸締りすんだぞ!」
「もう、毎回毎回同じこと言わなくてもわかってるってー」
白雪は口元をとがらせながら言った。
「お前は昔から危なっかしーんだよ」
「戸締りとそれは関係ないと思うんだけど・・・。」
白雪がそういうと一ノ瀬はくすりと笑い白雪の頭を優しく撫でた。
「・・・どうしたの?」
急なことで驚き一ノ瀬のことを見るとそこには愛おしそうに白雪のことを見ていた。
その表情に白雪は驚き固まった。
「とにかく、気を付けろよ?」
一ノ瀬はそういい家を出て行った。
「・・・いつからそんな演技上手くなったんだよ・・・一瞬でも俺のこと好きなのかもって勘違いしちゃう所だったよ・・・。」
白雪はため息をついたのだった。
どれくらい玄関に立ち尽くしていただろうか。
白雪は急いで出ていく準備を始めた。
「って言っても俺の荷物そんなにないんだけど。」
白雪はバックに貴重品を入れ部屋を見回した。
「ここを出て行ったらもう彰人とは関わらない。」
自分に言い聞かせ玄関へと向かった。
『もう!いい加減、起きないと遅刻するよ!?』
『あと五分・・・。』
『それもう何回も聞いたってっ!』
(幼馴染を起こすのはそれはもう大変だったけどこの時間は嫌いじゃなかった。)
『朔夜ー・・・今日一緒に風呂入ろーぜ』
『いやいやいやいや、絶対嫌なんだけど・・・どうせ洗うのがめんどくさいだけでしょ!?』
『なぜばれた・・・。』
(何年お前のことを見続けたと思うんだ)
『今日は朔夜が作ったオムライスが食べたい』
『えっ、今から!?』
『今食べたくなった。』
『・・・わかったよー・・・もう。』
(お前がオムライスを食べたいという日は何かしら嫌なことがあった日だって知ってる)
『いってくる』
『うん、いってらっしゃい!』
『帰ったぞ』
『おかえりなさい!』
『・・・・返事が返ってくるってなんかくすぐって―な』
(実はすごく寂しがりなんだよね)
「お世話になりました。さよなら」
彰人、幸せになってね。
そういい白雪は出て行ったのであった。
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