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情事【R18】
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4.
急に汗が滝のように出てきて、何キロも走った後のような疲労感が襲ってきた。中で宮本の下半身がピクピクと痙攣している。
オレは脱力し、その場にへたり込んだ。宮本もオレに引っ張られるように、オレの上に倒れてくる。重い。
「あー…ヤバい…。全部吸い取られた」
宮本もすごい汗をかいていて、背中でオレの汗と混ざっている感じがした。いつも飄々としている宮本がこんな汗をかくなんて、新鮮な気もした。
――ヤッて、しまった。宮本と。あの、宮本一磨と。
発汗することで少し熱が冷めたのか、オレの頭は少し冷静になっていた。というか、思い出してみたら色々衝撃だ。一線を越えてしまったことよりも、いとも簡単に組みしかれた自分にショックだった。こんなはずじゃ、こんな関係じゃないはずなのに。
どうしようもなく自分が情けなくなって、涙がボロボロと出てくる。宮本が背中で「えっ」に濁音を加えて反応する。
「鷲見崎?ごめん、痛かった…よな?」
「そ、うじゃなくて…」
「あー、ごめんごめん。がっついちゃったから、ビックリしたよな」
そう言って、宮本がオレの頭に口づけをした。上手く声が出ないと思ったら、またなのか、まだなのか、とにかく身体が震えてる。宮本がよしよしと、頭を撫でてくれた。
「…後悔してる?」
「え…」
「オレは、鷲見崎がやっと振り向いてくれた気がして、嬉しかったけど」
「な、んで、そうなんだよ…」
「だってお前、拒絶しなかったじゃん。オレのこと」
「それは……宮本は、友達だし…」
「友達としない事したくせに、なに言ってんだよ」
…たしかに。
すると宮本が、ふぅと軽くため息をついた。オレのセリフに呆れているというよりも、次の言葉の前段階みたいなそれだった。
「ねぇ、鷲見崎。オレさ、友達のお前がほしいワケじゃねんだよね。こんな風に身体預けてくれて、怒ってくれて、笑ってくれて、泣いてくれる…そんな鷲見崎要が欲しい。全部欲しい」
オレがゆっくりと顔だけで振り向くと、それを見た宮本が、少し情けなく笑った。その顔は反則だ。心臓がグッと苦しくなる。
「出会っちゃったから、オレの初恋に。一生大事にするから、オレの一番として、ずっと一緒にいて」
「宮本…」
「少しでも、お前の中にオレがいるなら。考えてみてな」
そう言って、オレのうなじにキスを落とすと、宮本が離れていく。そのタイミングでゆっくり起き上がると、頭がグラグラした。
オレ…オレは……どうしたいんだろう…。
「オレは…分からない…」
絞り出した答えは、やっぱりそれだった。
「だけど、いつかお前の言ってることの意味をちゃんと飲み込んで、応えられたら…いい……のかな」
また曖昧な返事になる。だけど宮本は、嬉しそうに笑った。
「鷲見崎はホント、お人好しだなー」
「なんでだよ」
「ほぼ受け入れてくれてるようなもんだし」
「それは…どうかな」
だけどオレの心の一番近いところに、宮本がいることは確かだ。この感覚を、オレは友達だと理解していた。でも、宮本の気持ちを迷惑とか気持ち悪いと思ったことはなく、むしろいつも傍にいてくれている事に安心感を抱いている。これはきっと宮本が言うように、友達とは、違うんだろう。
すると急に、宮本が濡れた学生シャツを脱ぎ捨てた。肌色が一気に増えて、不覚にもドキッとしてしまう。動揺するオレに近づいてくると、大袈裟なくらい顔をのぞき込んできた。
「ね、鷲見崎。もっかいしよ」
「はっ!?いや、無理だろ!」
「触らせてくれるだけでいいから。お願い」
「無理!今だって腰もケツも痛ぇのに…」
「あーそー。じゃ、裸で抱き合っとくだけでいいや」
そう言うが早いか、宮本がオレの服を脱がせて抱きついてきた。最早抵抗する力も残っていないオレは、されるがままに宮本の腕に収まる。
「いや、風呂入れよ。マジで風邪ひくぞ」
「鷲見崎一緒に入ってくれる?」
「ふざけんな甘えんな」
「冷てぇなぁ…。でも、そういう所もそそられるんだよな」
「バカだな」
「そうかも」
そう答えて、宮本がオレにキスをする。
あぁ、いつの間にか自然と受け入れてる。しかも何となく心が満たされる。きっとオレがこいつ自身を受け入れるのも、そう時間はかからないのだろう。
to be continued...
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