アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
11
-
椎葉さんは今までのお客さまの中で確実に一番上手かった。
体の奥から火照ってくるようなキスと、巧みな指使い。気付けば俺も今までにないくらい喘いでしまっていたし夢中になってしまっていた。
「……」
思い出したくもないのに勝手に昨晩の色事が思い返されていく。肌に触れられた感触と腰を掴む力強さ。ヤバイと思った時にはもうすでに遅く、下半身が熱く反応し始めていた。
「…ウソ」
こんな風になるのは初めての事だった。大嫌いなオシゴトで抱かれたお客さまのことを思い出して興奮するなんて信じられない。自分自身のありえない反応に愕然としつつも、俺の手は自然とそこへ伸びていく。ベッドの中でそっとジャージの中に手を入れて、硬く勃ち上がった自分のペニスに触れた。
「…んっ…」
目を瞑り、無心で手を動かしていく。
頭の中では椎葉さんがここに触れている。そして、大きくて綺麗な手が俺を包み込んで絶頂へと導いていく。気が付くと俺は昨日の椎葉さんの動きを再現するようにして自身を慰めてしまっていた。
「……っく」
ギリギリのところをティッシュで受け止め、そのまま少し離れたゴミ箱へと丸めて投げ捨てる。連日のお仕事のせいであまり出なかったけど、久しぶりのオナニーになんだか気恥ずかしい気持ちになった。
「はぁ…」
こんなことをしてしまうなんて最悪だ。椎葉さんとオシゴトしたせいで自分が作り変わってしまったような気がする。昨日彼と会うまでは、こんな自分はいなかった。
自分が自分でなくなるのは怖い。
なにも持っていない俺だけど、自分だけは守っていたい。どんなに汚い事をやっても心だけは汚さずにいたい。
これ以上自分が自分でなくなる前に、椎葉さんのことを考えるのはやめたほうがいいと思った。射精後の変に冴え渡った頭でそんなことを考えながら、俺はまた沈み込むように眠りについた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
21 / 193