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「ユキくん、久しぶり」
椎葉さんが強引に割り込んだ日から二日後。今回のオシゴトは今度こそナカムラさんだった。
「ナカムラさん。前回はごめんなさい」
「いいんだよ。椎葉さんのお願いを断るわけにはいかないからね」
「え?椎葉さんを知ってるんですか…?」
秘密が重視されるこの世界で、誰がお客で来たかなんて普通外に漏れる筈がない。それなのにどうしてチェンジを申し出た相手が椎葉さんだとわかるのだろう。
「ここに来れるくらいの生活をしているヤツの間で、彼を知らない人はいないと思うよ。さぁ、無駄話なんかしてる暇はない…ユキくん」
俺の疑問が抜け切らないうちにナカムラさんは俺にのしかかってきた。はぁはぁと息を荒げながら俺の首筋に顔を埋められる。耳の近くに当たる息が生ぬるくて気持ち悪い。
「急におあずけされてしまったからね、今日はしっかりユキくんを味わらせてもらうよ…」
雑な愛撫を繰り返す手、強引に口の中に入れられたナカムラさんのモノ。
まったくこっちが高まらない行為の中で「そうだ、これが俺の世界だった」と思った。最近椎葉さんとした人並みの会話も、気持ちよくてどうしようもないあの行為も、俺の世界には必要ない。
今の俺が生きる世界に、人間らしい俺はいない。いや、いないんじゃなくていらなかったんだ。
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