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「旦那様、申し訳ありません。今すぐにでも見つけ出して……」
「ああ別にいいよ。頭を上げなさい三國」
「しかし……っ」
「猫が逃げたくらいで焦る必要はない。外の世界への憧れだけで出て行ったんだ。そのうち気付いて戻ってくるよ」
閑散とした離れの中で、二人の男が静かに話し合っていた。
「自分の生きる世界はここじゃないって、もう取り返しのつかないところまで墜ちてることにいつか気付くだろう」
「…調査だけは、続けます」
「そうだね。見つけても手を出さなくていいから。私がいいと言うまで、見守っててくれ」
頭を軽く下げたまま控える男の前を、もう一人の男がすっと通り過ぎた。
「そうだ、帰って来たくなるように餌くらいは蒔いておこうか」
「餌、ですか?」
「うん。辿れば必ずここに繋がっているような、そんなやつをね」
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