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「いや!そんな事思ってないよ!俺、もう寝るわ!ごめんな!」
ほんの一瞬葛藤の表情を覗かせた後、ネジが巻かれたおもちゃのようにぎこちなく、そして忙しなく海翔が動き始めた。
…正直なやつだな、ほんと。
「待って」
「無理無理、もう寝るから。呼び止めないで何も言わないで」
「待ってってば!」
ひとりだけスタスタと歩き始めた海翔を追いかけて、海翔のコートの端を掴むとコートを脱ぎ捨てられて逃げられた。それでもめげずに追いかけ、リビングを抜けて寝室に入られる手前でようやく海翔の動きを止めることが出来た。
どうして海翔を呼び止めているのかはわからない。それくらい、自分でも不思議なくらい勝手に体が動いていた。
「なに」
「なにじゃなくて。その…いいよ」
「えっ?」
「嫌ならいいけど…おやすみっ」
「ちょ、ちょっと待って!」
呼び止めて、そこまで伝えたはいいもののなんだか急に恥ずかしくなってしまった。驚いて固まる海翔からそそくさと離れる。俺、いったい何言ってるんだろう。赤くなった顔を隠すために俺が逃げ出すと、今度は慌てた海翔がばたばたと着いてきた。
「え?今のマジで言ってる?」
「…マジだったら悪いのかよ」
「酔ってる?」
「…酔ってる、かも」
酔っているかと聞かれたら、さっきので少し覚めてしまったので言うほど酔ってはいないだろう。それでも、恥ずかしいからお酒のせいにしてしまいたかった。
「…速攻でシャワー浴びてきます」
「…今つらいんじゃないの」
「うん。でもだめでしょ。そんなことさせられない」
数秒の沈黙を破った海翔がそう言って、浴室に駆け込んで行った。どれほど急いでいるのかわからないが、海翔の姿が見えなくなってすぐにシャワーの音が聞こえてきて面白かった。
こうやって、シャワーを浴びている人を待つのは久しぶりだな。
島木さんのところにいた時は、始める前にまずお客様にシャワーを浴びてもらうのが決まりだった。だけど料金上乗せするからすぐ舐めてほしいというお客様もたまにいて、シャワー前に無理やりフェラさせられたことも何度かある。
椎葉さんの元で暮らし始めてからは椎葉さんがいつシャワーを浴びていたのかわからない。椎葉さんはそんなことが気にならないくらいいつも清潔感があった。
海翔のだって、してほしいって言われたらそのまましてあげるのに…
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