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「青、それは災難だったな」
食べるか?と緑山先輩はお手製のクッキーを渡してきた。
「……美味いです。先輩は彼女とか作らないんすか?」
「今はいいかな。お前の相手で十分楽しいし」
もったいないな。緑山先輩は僕が不良に絡まれていた時に助けてくれてから何かと気にかけてくれている。今だって恋愛相談していたところだ。同性が好きなのだと告白した時も先輩は応援すると頭を撫でてくれた。勉強もスポーツもお菓子作りもできる完璧な先輩はさぞモテているだろうし、その気になれば彼女くらいすぐ作れるのだろう。
「青、食べかすついてる」
ペロッと僕の頬を舐め、1つに結んでいる髪のリボンを揺らして
「僕にしとけば?……なんてな」
と笑った。本当にこの先輩にはかなわない。何故か高鳴る胸の鼓動を無視して平静を装ったせいでその後の会話は全く集中できなかった。
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