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トントン。
トントン。
いつも風邪をひいた時に、お母さんは お布団を叩いて寝かしつけてくれた。
普段は仕事で昼間いないのに、風邪をひいた時だけ仕事を休んでくれた。
ああ、懐かしい・・・。
トントン。
トントン。
あと、毎日。
お母さんの包丁の音で起きるんだ。
何かを煮たり、何かを切ったり。
お皿を出す音、お湯の沸く音。
胸がこそばゆくなるような、幸せな毎日だった。
トントン。
トントン。
・・・え。
目を開けて暗い天井を見上げると、そこには誰もいなくて。
「・・・ゆめ、か。」
山野さんが来てくれた気がしたけど、夢だったのかな。
トントン。
トントン。
「ん?!」
ノックの音だ!!
「はい!!」
慌てて布団を蹴って玄関に走った。
山野さんかも!!
確かもめせずに扉を開いて、おれは飛び上がるくらい驚いたのだった。
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