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午後からの外来を代わってもらったという斎藤先生は、おれも面識のある先生だ。
山野さんと同じように、医局ではいつも眠そうな顔をしている先生で、コーヒーの紙のカップの残骸が机の上に積みあがっている感じの人だ。
でも多分、山野さんと同じように、患者さんやご家族の方に会う時には、キリッとしているに違いない。
・・・たぶん、だけど。
「とりあえず、これ食い終わったら荷物を取りに一緒に部屋に行こう。」
「はい。」
仕事を辞めるかどうかは別として、生活するには道具がいる。
スーツも、ワイシャツも、普段着だって必要だ。
「冷蔵庫のものもある程度片付けないとな。」
「はい。」
山野さんは、ちゃっかり斎藤先生の車を借りてきていた。
「ペーパードライバーだから、笑うなよ?」
「ふふ、おれが運転します。」
「ダメだ。病人だろ?」
ふふ、病人相手にセックスしたのは構わないらしい。
ペーパードライバーの程度にもよるんだろうけど、都内は渋滞が多いし、おれの住む地域は一方通行も多い。
・・・大丈夫だよね?
そう思いながら、山野さんが買ってきてくれたコンビニのお弁当を頬張った。
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