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不幸なのは、富永だ。
無実の罪で、くもの巣投げテープに仕込まれたコショウ爆弾を浴び、散々苦しい思いをしながらシャワーを浴びた。
そして、さらに可哀想なのは用意された服だ。
「・・・嘘だろ。」
捨ててもいい服として甲斐の家に残されていたソレは、富永にとって罰ゲーム以外のなにものでもなかった。
とりあえず、広げて眺めた。
与えられたバスタオルを腰に巻いて、ゆっくりと考えた。
絶対、嫌がらせだよな?
普通、先輩に差し出す服だとは思えない。
大学時代の悪友ならやるかもしれないが、甲斐くんと自分は、絶対にそんな関係ではない。
一旦、脱衣籠に戻した。
ちゃぷちゃぷと音を立てながら回る洗濯機を見つめて、残り時間を睨みつけた。
どう考えても、脱衣所に籠城できる時間ではない。
自分の見間違えでなければ、残り時間は4時間と表示されているからだ。
パンツもない。
素肌でコレを着ろと?
「いやいやいや、絶対にオカシイ。」
それとも。
それともだ。
甲斐くんは、こんな服で毎日過ごしているのだろうか。
それが普通だと考えているのであれば、無理矢理だが納得することができる。
もう一度、籠から取り出した。
前と後ろみごろを確認して、富永はゆっくりと天井を見上げた。
「・・・マジか。」
ため息をつきながら、視線を服に戻した。
二択だ。
着るか、着ないか。
・・・男同士だし、バスタオル巻いて過ごせば良いんじゃね?
そうだ。
そうしよう、上半身裸でもおかしくはない。
コレを着るよりはマシだ。
という訳で、富永は腰にバスタオルを巻いて、婦人警官のコスプレをした寺田のいるリビングに、これより帰還することになる。
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