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「ええ?!中島殿?!」
「甲斐殿!!お体は大丈夫でござるか?!」
おれのゲーム友だちの中島くんが買い物をしていた。
「え?!大丈夫だよ!」
丸いメガネを掛けた、長身の中島くんは、いつも背中が丸まっている。
ゲームが大好きな、東京での唯一の友だちだ。
あ!
「さっきはゴメンね!電話切っちゃって。」
「ずっと家に居たから、体調を崩されたのかと思っていた。」
「・・・へ?」
中島くんのレジカゴには、お粥やゼリー、栄養ドリンクが入っている。
「では、最近、夜の付き合いがないのは、飽きてしまわれたのか?」
「ううん、忙しくって。」
丸いメガネのつるを人差し指でクイッと上げた中島くんは、不思議そうに首を傾げた。
「甲斐殿、ではカバンを変えたのか?」
ん?
「・・・なんで?」
「サバイバルゲームでわたしが守れるようにと封筒を渡したではござらぬか。」
え・・・。
ちょ、ちょっと待って!
「え、サバゲーは断ったよね?」
「諦めては無いでござる。」
え、え?!
「待って待って、実戦は怖いから。」
「大丈夫、討死しても甲斐殿はわたしが守ります。」
目の前に、スッとお茶のペットボトルが差し出された。
「あ!山野さんっ!」
無表情になった山野さんに、中島くんを紹介した。
「こちら、中島くんです。ゲーム仲間なんです。」
「はじめまして、中島です。」
「こちらは山野さん。おれの、」
山野さんの目が細くなった。
「だ、大事な人です。」
「はじめまして、山野です。」
山野さんの差し出した右手を、中島くんは両手で握った。
「甲斐殿の新しいバディですか?!」
混沌としてきた会話に、おれたちは一旦、店の外に出ることにした。
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