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その時の寺田の気持ちを代弁するならば、こうだ。
嘘でしょーー!!
だってだって、富永さんはお付き合いしてるって言ってたよね。
それに・・・。
頭にこびりついている。
富永さんの、裸。
甲斐さんのお家のお風呂に入るってことは、ソウイウ関係だということではないの?
いやいや、ちょっと待って待って。
あの時すでに、山野さんもいた。
山野さん公認?
いや、それならお付き合いしてるのを知らない訳はないのよ。
寺田の目の前に、ぶわんと薔薇の花びらが散った(気がした)。
て、ことは、3人で めくるめく隠微なカ・ン・ケ・イ・・・ッ!
もしかしたら、富永さんがふたりに愛されてる?
ううん、いま甲斐さんは山野さんに告白した。
て、ことは。
富永さんは、力士だけにひとり相撲!!
急に可哀想になってきた。
いまもお相撲さんの格好をして、ふたりを待っている。
まるで忠犬のように、指定された格好をして!!
どうしよう、どうしよう。
でも、私くらい優しくしてあげよう。
でないと、富永さんが余りにも哀れだわ!
スクッと立ち上がった。
「甲斐さんのお気持ちも、山野さんのお気持ちも分かりました。そして、富永さんのお気持ちもです。」
悲しくて、涙が出ちゃう。
「私、先に富永さんのところへ帰ります。・・・課長、富永さんにどうぞ優しくして差し上げてください。」
富永さんの進む道は、いばらの生い繁った苦難の道。
それが、よくわかった。
「え、寺田さん・・・?」
課長が不思議そうに手を伸ばしてきた。
寺田はその手をしっかり握りしめて、潤んだ瞳で見上げた。
「ね、先に帰りましょう?」
「は、はい!!」
よく分からないが、中山は天にも昇る気持ちだった。
だって、大好きな寺田さんと手を繋いでいるのだから!
そうして地獄へと戻っていく。
修羅と化した、あのアパートへ。
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