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ここで中島の恐怖を説明しよう。
「喰らえっ!」
中島は恐怖のあまり、目を閉じた。
そして、ぽふっとした手応えに、ヒッと息を飲んだ。
普通はペチンとか、ボコッとか、バキッとか音がするはずなのに、ぽふっという間の抜けた音しかしないのだ。
ぽふぽふぽふぽふっ
ヒィィッ!
どうしよう、中身が空洞なのかもしれない!
そういえば、さっき、胃液がどうのとか言っていたよね!
ハッ!!
中島は、理科の授業を思い出した。
海の生物であるヒトデは、2種類の食事方法をする。
ひとつは人間と同じ、食べ物を胃の中に入れる方法。
そしてもう一つは、胃袋をひっくり返して体外に出し、その胃壁を食べ物に接触させて直接消化し、取り込む方法だ。
ももももももももも、モンスター!!
思わずへっぴり腰になった。
そして、ヒトデの星形。あの5方向に分かれた部分は、全て腕だ。
足は砂に接地する側にビッシリと!うにゃうにゃ付いている。
うっすらと目を開けてみると、ペールオレンジのボディが怪しく動いていた。
絶対、あの向こう側は触手でいっぱいなんだーーーッ!
「あー・・・、これはデスネ。何かマトモなものがないかなって。」
マトモって何ーッ!!
すーはーっ、すーはーっ
「ちょっと我慢出来なくなって。」
食事が?食事が?
食事だよね?!
すーは、すーは、すーはッ
心臓がドッドッドッドッと破裂しそうに動いている。
こんなに激しく動いたのは、理科室でお湯を沸かしてカップ麺を食べた時以来だ。
お湯を注ごうとした瞬間、ガラッて理科室の戸が開いて、びっくりして中のエビとポークが空中を舞った。
あのエビの美しさにめっちゃドキドキして、いまの仕事をしているのだ。
「その、これが悪いって言うわけじゃねーんだ。それぞれの趣味ってもんがあるから。」
何の趣味?!
何の趣味!!
ここは日本!グルメ王国ですーッ!!
ラーメン天ぷら寿司にギョウザッ
ソーメン蕎麦とすき焼きあります!
神様仏様日本古来の八百万の神よ〜ッ!
「か、貝・・・?」
ハッ!
貝だと間違えられて喰われてしまうッ!!
中島は、靴べらを思いっきり引いて、渾身の力で、
「突きーーーーッッ!!」
フェンシングよろしく、靴べらをモンスターに突き立てた。
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